月のみや・・・
先日、皆既月食が見られなかったので、ちょっと月の話題。
願わくは 花の下にて 春死なん そのきさらぎの 望月の頃
これは、有名な西行の短歌ですが、このほか新古今和歌集などにも、名歌を残しています。
月のみや うはの空なる 形見にて 思ひも出では こころ通はむ
月の美しさだけではなく、月を通して恋人と心を通わせていたいという思いが強く伝わってくる歌。
満たされない切ない思いが歌の裏側にあるような。
月だけは空にあってあの人を思い出させる形見である。
その月を見て人恋しく茫然としているが、その人も月を見て私を思い出しているならば、月を仲立ちとして二人の心は通うであろう。
月が愛しい人のことを思い出させたこと、そして月は二人が思いを通わす仲立ちとなるということ。
心を通わせる力としての月の光が暗示されている。
・・・そんな寸評がありました。
離れていても、同じ月を見て、二人心を通わせていたいなぁ・・・。