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2015年3月17日 (火)

笑点の人気の秘密

日曜日の日本テレビ「笑点」 は、1966年の放送開始。
最近は、レギュラー出演者の桂歌丸師匠や林家木久扇師匠が体調不良により休養していた時期もありますが、それでも高視聴率を保ち、人気の高さは健在。
その影響力たるや、「大喜利」を落語だと思っている人も少なくないという、笑えない、とても困った現実もあるようです。
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長年にわたって視聴者から愛され、 高視聴率を持続してきた要因はどこにあるのか?
というのも、色々言われているそうです。
1.人気を支える偉大なるマンネリと お約束
“マンネリ”というと、悪いイメージに捉われがちですが、「笑点」の場合はいい意味で“変わらない”ところが魅力の一つ。
普通は長 く番組をやっていると出演者をあれこれ変えた くなるものですが、“大喜利メンバー”はほぼ固 定し、政治や社会的事件の風刺、メンバー同士の罵り合いといった“お約束”もこの50年間ほとんど変わらない。
そうした決まりごとを安心して楽しむことができる点が、高齢者を中心に支持されてきた理由でしょう。
「水戸黄門」 も、毎回“勧善懲悪”というワンパターンな演出に もかかわらず人気があったように、「笑点」に も“変わらなさ”が求められているのでしょう。
でも、考えてみると、そもそも寄席(芸)というのは、究極のマンネリ(芸)の集まりなんです。
視聴率が悪いと、何かと“テコ入れ”と称して、出演者の交代や企画の変更が行われるテレビ界にあって、「笑点」は異例とも言える“マンネリズム”が最大の武器になっている。
2.視聴者にも分かりやすい出演者の“キャラ付 け”
今でこそ、タレントはどのような“キャラクター”で自分を売り出すのかを考えるのが当たり前の時代ですが、「笑点」では“バカ”や“物知り”“キザ”など、大喜利メンバーのキャラ付けが、番組当初から徹底して確立されていました。
そのキャラに合った発言や回答というのは、見ている側からするとイメージとピッタリ重なり納得がいく。
そんな個性的なキャラクター同士のぶつかり合いも長年番組の名物となっていて、 以前には“キザ”キャラの三遊亭小円遊師匠と“常識人”キャラの桂歌丸師匠の不仲ぶりが過熱し、ついには手打ち式まで行ったこともありました。
そうしたメンバーの人間臭さを見せるのも成功してきた理由だというコメントもあります。
3.若い視聴者層の獲得にも意欲的
「笑点」は、高齢者だけでなく、若者にアピールする努力も怠っていない。
番組は2部構成になっていますが、以前は前半の『演芸』コーナーでは、落語家による落 語、あるいはベテラン芸人による漫才や奇術が中心でした。
ところが、ここ数年は勢いのある若手芸人を使う機会が増えている気がします。
高齢者だけでなく、 若い視聴者層にも見てもらおうという意図が明確ですよね。
落語、寄席の世界では、大喜利が独り立ちしていることこそが邪道なのでしょう。
しかし、世は視聴率が全てですから、「勝てば官軍」です。
かつて「笑点」に出演していた師匠は、全く話題にしません。

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