八っつぁんの落語一代記
柳家さん八師匠が親子で著した本。
談志に捨てられ、小さんに拾われ。ある噺家を主人公に、落語界と戦後日本を振り返るノンフィクション。
高校卒業後の聰吉(後のさん八)は大企業・凸版印刷に就職。
高度成長期の波に乗る企業で、日本武道館を借り切った「凸版家族慰安会」で素人芸を披露しているうち「噺家になりたい」という気持ちがふつふつと沸いてきた。
その頃、若手落語家四天王の立川談志が「現代落語論」を出版。
手紙を書いて幸か不幸か一番弟子になった。
しかし半年後「名選手かならずしも名コーチならず。俺は弟子育てるのには向いてねぇ」と突き放されるも、談志の師である柳家小さんにひろってもらう。
仲間とともに新落語協会結成をたくらんだり、大量二つ目最後の11人目にすべり込みで昇進をつかんだり。
「柳家さん八」を襲名し、吉田茂や田中角栄などの歴代総理や有名政治家を演じ分け、一人で国会予算委員会を再現するという「政界模写」を編み出した。
また1978年の落語協会分裂騒動などを通して、噺家連のもろさを目の当たりにする。
1980年、第1回真打昇進試験に合格、翌年、晴れて真打。
21世紀に入ってからは志ん朝、小さん、談志も亡くなり、寂しさを味わう。
しかし、ドラマ「タイガー&ドラゴン」で落語ブームが勃発、「実録噺・東京大空襲夜話」を生み出し、反響を得た。
2008年、落語協会監事在任時に助成金ショックを経験。
現在もうるさ型として奮闘するさん八の歩んだ道を振り返る。
・・・落語協会分裂騒動の部分を立ち読みしました。
小さん師匠礼賛という感じですね。
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