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2015年1月 7日 (水)

古今亭菊之丞評

pen新聞に、花井伸夫さんの噺家さん評が載っていました。
昨年12月15日の上野鈴本演芸場での、古今亭菊之丞さんの高座評です。
はんなりと歌舞伎の女形のような風情をたたえながら、古今亭菊之丞は昼の部の深いところで高座に登場した。
「ようこそのお運びで……」と型通りに噺に入って、酒にまつわるマクラ「小三治師匠、下戸でございます」で引きつけた。
親子で禁酒の約束をしたのだが、息子が商売のことで出掛けているのをいいことに「1本だけ」と女房に手を合わせるお爺さん。
「お婆さん」と、ねだる様子が可愛い。
そうなのだ、若いうちはお前、私や俺なのに、いつの間にかお爺さんお婆さんと呼び合う仲に。
菊之丞、その辺の夫婦の機微をきっちりと描き出していい味。
芸質としては、むしろ男っぽいかもしれない。
あと一本もう一本が続いて“へべのれけ(=へべれけの粋な言い方)”のお爺さん、ついには「ババあ、早く酒持ってこい!」の体。
笑いがどんどん膨らんでいく。
急に息子が帰ってきた。
慌てるお爺さん。
だが、息子も禁酒の心意気が偉いとおだてられて客と2人で2升5合も飲んでぐでんぐでん

「なぜお前はそう酒を飲みたがる」と、ろれつの怪しい父が言って、サゲの方向へ。
安定感と巧(うま)さとがない交ぜになって、滑稽(こっけい)さ、笑いへとつながった。
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新年初席(10日まで)には、歴史を誇る鈴本で第1部のトリを初めて担当する。
三遊亭円歌の代わりだ。
寄席の世界にも世代交代は確実にやってくる。
今年の注目株の一人に挙げておきたい。

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