落語は人を救う
偶然、本屋さんで見つけました。
北大落研OBの方で、フリーのプロの噺家さんだそうです。
一度も落語家に入門したことがなく、すべて独学!
世間の評価はどうか。
笑生十八番(しょうせいおはこ)には仕事がある。
なによりもそれが落語家としての実力を証明している。
北海道という土地柄もある。
落語家がたくさんいる場所ではない。
(噺家よりエゾ鹿のほうが多い)。
落語家になるためにはどうすればいいか。
世間はそうしたシステムを何も知らない。
知らなくても落語を聴くことはできる。
また落語をよく分かっていない。
それでいて笑生十八番の落語を聴いて「面白かった」という。
遠くから来て「面白かった」といってくれる人がいる。
そういう人のために高座で喋っている。
落語を聴いている人は落語家に資格など求めてはいない。
そうではなく実力で「落語家です!」と名乗っている落語家が北の大地にはいる。
北海道の落語家・笑生十八番がいることを知ってほしい。
・・・へぇぇ、こんな人がいるんですね。
中身も見ずに、買ってしまいましたが、Amazonのレビューでは、厳しいコメントがありました。
「噺の実力で、落語家です、と名乗っている落語家がこの北の大地にいる」
とこの人は書いている。その理由として、仕事があるからだ、と。
「三越落語会の前半部分の人」くらいの実力だと人に言われ、本人は「言いえて妙だと感心」している。
実力でプロを語るのならば、一度、東京で、その「三越落語会」で勝負をしてみるといいのではないか。
志の輔師の新作を持ちネタの中に堂々と書いている。
ご本人の承諾は得ているのであろうか?
プロの落語家さんは、他人の新作を演じる時は必ず稽古をつけてもらい、許可を得るということを聞いたことがある。
プロのしきたりに敬意を払わず、他人の作った作品に敬意を払わない人に、プロを語ることは出来るのだろうかと思う。
お金の話も多すぎる。やれ10万の仕事がある、やれ月に30万稼げるようになった。
いろいろと落語家としての心構えについて能書きが書いてあるが、この人にとって落語は都合のいい飯の種なのだろう。
本職の方に対して失礼極まりない本だと思った。
一落語ファンとしても非常に腹立たしい本だった。
・・・考えてみると、落語は、お役所への届出や認可・許可・免許のようなものがある訳ではなく、何かで規制されている訳でもなく、業界の既存のどこの団体にも属さずに落語を生業とする人が出て来ても、決しておかしくはないでしょう。
現にフリーのプロの噺家さんはいらっしゃいますから。
相撲などもそうではないでしょうか?
公益財団法人日本相撲協会の形式を真似たら問題ありかもしれませんが、相撲という格闘技をやることに制約はないと思うのです。
例えば、私だって、明日から「金願亭圓志」を名乗ってプロになることだって出来るはずです。
ただし、喰って行かれるはずはありませんが・・・・。
ある方には不愉快かもしれませんが、国立大学の落研出身の人の生き方や考え方、落語を演ずる機会の作り方のヒントになればと思いました。
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