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2014年12月12日 (金)

行政代執行

まだ幼かったので、詳細は全く理解できていませんでしたが、「代執行」という言葉を初めて知ったのは、成田空港建設に向けた「強制代執行」でした。
幼心に、他県ながら「友納知事」という名前が、頭に残っています。
成田空港の開港は大変でしたね。
大学生になって、ノンポリの私には分かりませんでしたが、キャンパスのいたるところで、「成田空港阻止」や「三里塚闘争」などといった看板が並び、アジビラが配られ、アジ演説が行われていました。
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落研の部室にも、よくヘルメットを被ってタオルで半分顔を隠した学生さんがビラを持って来ました。
どこのどんなグループの人かは分かりません。
遠目で見ていると、正直なところ恐ろしくて近づきたくない雰囲気の人たちでしたが、部室に入って来て話をすると、みんなどこにでもいるような普通の若者でした。
尤も、落研の部室での話題は、普段どおりの全く難しいものではないくだらないもので、彼らも端から、落研部員に洗脳や煽動をしたり、学生集会への参加を勧めたりは諦めていたようです。
「また寄ってくださいな。頑張って」なんて言って、急に緊張した顔に戻った彼らを笑って送り出したりして。
「行政代執行」と言うのは、行政上の強制執行の一種。
義務者が行政上の義務を履行しない場合に、行政庁が、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収することをいうそうです。

2014121000000018mai0007view_2京都の伝統的な町屋が建ち並ぶ地区で、条例で定められた許可を受けずに町屋の外壁をショーウインドーに変更したとして、京都市は建物を強制的に元の状態に戻す行政代執行を行いました。
伝統的建造物の条例違反で行政代執行が行われたのは全国で初めてだそうです。
この地区は、町屋や神社や寺などの建物が建ち並ぶ伝統的な景観が残っていて、京都市は「伝統的建造物群保存地区条例」を定めて建物を残そうとしています。
この地区の一角にある町屋の建物に入った雑貨店が、許可を得ないまま壁に縦横1メートル余りのショーウインドーを設置したことから、元に戻すよう勧告や命令を行いました。
ところが、改善されなかったため強制的に壁を元の状態に戻す行政代執行を行うことにしたそうです。
この雑貨店の店主はチリ国籍の人だそうです。
問題となったのは、昭和初期の木造2階建て(延べ約88平方メートル)の建物で、店主は、賃借する店舗の大きい窓の外側 を覆う板を取り除き、店内での作業を外から見 られるようにし、外壁にも長さ約4. 8メートルの木製カウンターを取りつけたそうです。
これを確認した市は昨年7月以降、繰り返し店主を指導し、今年6月に是正措置を命令。
8 月には外観を戻すよう戒告していたとのこと。
「悲しいです。窓がないと営業に支障がでます」と話しているそうですが、日本人の感情などは、尊重してもらいたいものです。
景観と言うのは、皆のものですから。
虎屋の番頭の丑蔵が、甚五郎が彫ったねずみ屋のねずみに対抗して、2階の手すりに飯田丹下作の虎を置いたのとは違いますから。
「えっ、虎ですか?私ゃてっきり猫だと思いました」。

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