花のように、生きる
「花のように、生きる。 美しく咲き、香り、実るための禅の教え」という本の評判が良いそうです。
誰もが抱える「どう生きるか?」という悩みに対して、「花のように」という涼やかな指針の本。
花のような生き方?
こんな一節があるそうです。
しゃべるのが苦手、流暢にしゃべれない、という人がいます。それがコンプレックスになっている人もいるようです。
しかし、日本には〝しゃべらない美学〟ともいうべきものがあるではないですか。
「間」です。
間といって最初に頭に浮かぶのは、庶民派の古典芸能、そう、落語です。
落語は間で成り立っている、といってもそれほど的外れではないでしょう。
随処に間を置かない落語は、まちがいなく、おもしろみが半減しますし、〝間が抜けた〟ものになる。
日常の会話でも、「間」はしばしば言葉よりも有効に働きます。立て板に水のようにしゃべりまくるのは、かえって信頼感を損なうことが多いのではありませんか?
そのことからも間の有効性がわかります。
「巧言令色鮮し仁」 という語もある。
言葉が巧みで、愛想がよすぎるのは、仁徳に欠ける、誠意を疑われる、というわけです。
仕事の交渉でも、想いを伝えるときでも、ここぞというときにしゃべるのをグッとこらえ、「間」に託すとよい結果がもたらされることが往々にしてあります。
そこに、言葉にならない誠意や、言葉では表現しようがない切々たる想いを汲みとる感性を、日本人は持っているからでしょう。
その日本人独特のものの感じ方が、しゃべらない美学を支えていることは、いうまでもありませんね。
「間」は、言葉がすっぽり抜けた空白の時間ではありません。
むしろ、言葉では尽くせない表現で満たされているのです。
・・・「間」ですよね。
「蒟蒻問答」も、禅寺が舞台になっていますから、少し勉強しないといけないかもしれません。
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