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2014年12月15日 (月)

七カ国落語

 
drama三遊亭竜楽さんの記事を見つけました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141213-00000025-dal-ent
竜楽さんは、以前から海外に出かけて、外国語で落語を演っておられます。
イタリア、フランス、ドイツなどヨーロッパを中心に各国を飛び回り、その国の言語で一席披露してしまうという。
DVD「三遊亭竜楽の七カ国語RAKUGO」が発売されるそうです。
新聞は、「伊能忠敬」じゃなくて「異能落語家」と持ち上げています。
訪れた海外の都市は33以上。
外国語公演は120回を超える。
誰もまねしようとしない外国で、外国語での落語を演じるのはなぜか。竜楽の答えは単純明快。
「ウケたからですね。芸人だから受けたことに引き寄せられるんですね」だった。
最初に海外で落語を行ったのは08年のことだった。
知人がイタリアへ行くのでボランティアでやってほしい、という依頼を受けてのものだったが…。
このボランティア、というのがくせ者。
なんと渡航費まで自分で工面しなければいけないことが後になって発覚した。
常識で考えると断ってもよい話。
ところが竜楽は「もういいや、しょうがないからやりますって。向こうは字幕でやるつもりだったらしいんですけど、しゃくだったんで、イタリア語でやりますって」。
芸人らしいと言うべきか、なんと言うべきか。
半ばやけっぱちになって引き受けてしまった。
意味を考えずに音で噺を覚えて発音をチェック。
最後に単語の意味を調べるという、まるで歌を覚えるような、通常の落語とはまったく違う手法でイタリア語を詰め込んで、いざ本番。
すると、これがウケた。
その後はとんとん拍子に活動場所が広がっていった。
翌年にはイタリア語に加えてフランス語と英語で。
10年にはポルトガル語とスペイン語で、11年にはドイツ語でも公演し、7か国語での公演を達成した。
正直なところ、これが竜楽さんの落語そのものの芸の熟練に役立つのかは、個人的には「?」です。
が、先代円楽師匠から教えられたと言う、「人として広がりを持て」というメッセージは、必要だと思います。
ただ日々を過ごしていれば、落語という芸能は縮小均衡の芸になってしまう。
しかし、ただやかましい、ただ笑いだけを求めることばかりになれば、芸としての品が失われ、急速に衰えてしまう・・・。
そういう意味で、際物や異能というのは、相応に必要だと思います。
でも、丁寧な芸の竜楽さんの、(日本語の)落語こそ聴いていたいと思います。

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