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2014年12月25日 (木)

雪の瀬川(松葉屋瀬川)

松葉屋瀬川(雪の瀬川)」という長講。
下総屋善兵衛の息子、善二郎が江戸に来て早二週間、本ばかり読んでいる。
番頭の久兵衛が、その若旦那を梅若塚等を見に行こうと浅草へ行くことになる。
道々、晏平仲、茅町と瓦町の由来、閻魔様、浅草伝法院の石灯籠、浅草寺の施無畏の額などについて、蘊蓄を披露し久兵衛は感心する。
吉原の花魁の見物を勧めると、「道楽者にするつもりか」と言ってたいそうな立腹。
実はと旦那から、堅すぎて人付き合いが出来ないので吉原で遊ぶぐらいでないと世の中を渡っていくのに困るからと勧めてくれるように頼まれ、必要とあれば五十両や百両は用立てると言われたと訳を話す。
ほとほと困っている時に幇間の崋山と会う。
訳を話すと、餅は餅屋に任せろと言うので、儒者と言うことにして紹介する。
崋山は善二郎の読書の疑問に答えて、信頼を得る。
そして、本ばかり読んでいたのでは体に悪いので、花を生けたり見るようにと勧める。
毎日やって来て、花を生けては教える。ある日は、花の会に誘って一緒に出かけていく。
そして、吉原で花の会があるが、「君子危うきに近寄らず」こない方がいいから一人で行くというと、一緒に来るといいだした。
崋山は吉原の吾朝という幇間にたのんで、部屋を用意している。
毛氈が敷いてあって、花が生けられるようにしてある。
二人が入ってしばらくすると、松葉屋の花魁瀬川がやって来て、同室になり立派に花を生ける。
大変な美人。
花魁が帰った後で、二人に大変迷惑をかけたのでと、折りが届く。崋山は返しをしなくてはいけないという、五両ほどのお礼だ。
善二郎は吉原で一晩遊んで六両と聞いて、算盤をはじき、たった一両の違いであれば遊んだほうが徳だと、吉原で遊ぶことにする。
一晩の遊びで瀬川に惚れて、夢中になって通い始め、半年経たないうちに、八百両の金を使ってしまい、勘当されてしまう。

N24900301
頼る当てもなく永代橋から身を投げて死のうと考えたところを、元お店の奉公人で紙屑買いの忠三に助けられる。
忠三は貧しい中から献身的に若旦那の世話をする。
そのことに感謝している若旦那は小遣いをもらおうと瀬川に手紙を書いて、忠三に持って行っていくように頼むが、花魁のお世辞だと行って信じない。
そこの所を頼んで幇間の吾朝に届けてもらう。
若旦那は死んだものと思っていた吾朝、床に伏せている花魁のに手紙を渡す。
たいそう喜んだ花魁、二十両の銭を用立て、文に雨の日に行くと書いている。
善二郎は雨の日が待ち遠しい。
そして、雨が雪に変わった日、とうとう家の前に籠が着く。
中から花魁が現れる・・・。
傾城の誠無しとは誰がゆうた、誠あるほど通いもせずに・・。
落語に出て来る花魁は、高尾も幾代も、そして瀬川も、まことがあるんです。
「たちきり」の小糸も、「お初徳兵衛浮名桟橋」のお初も、純愛なんですね。

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