世間亭節介さんを偲んで
そんなに頻繁に接点があった訳ではありませんが、ちょうど5年前から、節介さんとのお付き合いが始まりました。
創部50周年記念OB落語会の時は、まだバリバリの現役で、青い落研の法被を着て、甲斐甲斐しく働いてくれました。
祝賀パーティの時も、大先輩方の前で、明るく振る舞ってくれていて、節介さんの周りは、笑顔が絶えませんでした。
この笑顔が魅力でしたね。
落研草創期の大先輩の、(左から)弁痴師匠、団巣師匠、朝大師匠と、くるみさんの間で、笑顔で盛り上げてくれていました。
檀上の現役部員の面々も、川内部長の節介さんのリードで、明るい笑顔の挨拶をしてくれました。
2年前の「第23回OB落語会」の時は、「金明竹」で高座に。
上方弁の早口の口上では、客席から大きな拍手が出ていました。
この年に大学院に進学したばかりの、最若手のOBでした。
この後、体調を崩して、一時休学していたそうです。
さて、今年の「第24回OB落語会」です。
出演者を決めるために、私と志ん志師匠から、出演エントリーを勧めるメールに、こんな返信がありました。
ここのところ、学業に追われて、ほとんどメールを確認せずにおりました。誠に相済みませんでした。
OB落語会のエントリー候補に、私の名前も挙げてくださいまして、甚だ有難く存じます。
小生は事情があって、本年度修士課程3年目を迎えております。
そのため、無事修了・就職が決まるまでは、安心してお目にかかる訳にはいかないと感じ、今回は出演を考えておりませんでした。
しかし、学部時代、八幡町での落語や出前落語で、様々に御恩を被った桂友楽さんから推薦を頂いたとあっては、エントリーしない訳には参りません。
以下の通りでお願いいたします。
◇世間亭節介 演目:「質屋庫」、時間:20分程度
駄馬師匠からは、1年間ほど大学院をご病気で休学したものの、元気に復学されていたということでしたが、体調は、必ずしも完全ではなかったのでしょうか?
ご本人は「復学してもう大丈夫です」と言っていたそうですが。
結局、演目は「質屋庫」ではなく、「第22回OB落語会」で演った「一目上がり」の再演でしたが、古狂師匠によれば、出番の前、楽屋で一生懸命立ちながら、そして座り、一途に稽古してた姿が瞼に焼きついているそうです。
頓平師匠によれば、節介さんが「僕の初高座は一目上がりでした」と、懇親会で言っていたそうですから、十八番中の十八番だったのでしょう。
出囃子は、節介さんお気に入りの定番、「元禄花見踊り」でした。
そして、マクラは寮生らしく「今月の目標を立てました! 使った食器はすぐ洗う! 洗濯物はその日にたたむ! 家を出る前にフトンをたたむ」・・・・。
なんと天狗連らしく純真な表現だったか・・・と、古狂師匠。
また、懇親会でも実に明るく話されてましたので、思わず頑張って欲しいとのエールを送ったばかりだったとか・・・。
記念写真では、最前列(左から3人目)に座っている、元気な姿が確認出来ます。
後日、寝蔵師匠が、このOB落語会のDVDを送った時に、「貴君の飄々とした芸風はいいですね」と一筆添えたそうです。
名人・寝蔵師匠をして、「なにか、自分のものを持っている・・・」、そんな感じだったからだそうです。
お礼のメールに、彼らしいコメントがあったそうです。
「着物の着こなしをもっと粋にできるよう精進します」と。
世間亭節介さん(2012年理学部数学科卒業)は、還らぬ人となりました。さぞや無念だったことでしょう。
時しもあれ 秋やは人の 別るべき
あるを見るだに 恋しきものを (壬生忠岑)
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