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2014年11月10日 (月)

柳家小袁治師匠のブログ

clover噺家さんも多くの方がブログをやっています。
我が圓窓師匠の「年月日輪」などは、その走りだと思います。
最近は、ちょっと更新のインターバルが長くなってしまっていますが。
その他の師匠で定期的に拝読させていただいているのは、柳家小袁治師匠の「日刊マックニュース」です。
これは、毎日更新されていて、師匠のお人柄が出ているので、楽しく拝見しているのです。
時々、絵文字が使われているのも、とても面白いです。
師匠は、「落語協会ホームページ委員会」の委員長か何かをお務めだったはずです。
そこで配信されている「インターネット落語会」にも、いくつかの演目がアップされています。
確か、「紀州」「樟脳玉」「五月幟」と「ねずみ」あたり。
国立演芸場でトリを取られたそうで、その「ねずみ」をお演りになったそうです。
文楽師匠が休演されたので、その代バネだったそうです。
こんなコメントをされています。
主任の演題は「ねずみ」だった。
実は何をするか迷っていたんだ、せっかっくなので30分で収まるこのネタにした。考えてみたら約30分という噺はそれほどある訳じゃない、40分以上ある噺を30分に刈り上げる必要がありますねぇ、今後の課題だ。
愚生の「ねずみ」は仙台弁が出て来る。
左甚五郎が仙台弁で喋る坊やに「おじさんに分かるように話して欲しい」と、言ってから、仙台弁から離れるようにしている。
仙台在住の人をすべて仙台弁で演ったことがあった。
これは仙台市で演った訳だが、仙台の人はとても喜んでくれた。
ところが東京でやったら仙台弁じゃ良く分からないということで不評だった。
これが東北弁金明竹が出来る原因というか、下地になったことは確かだ。
後半に仙台弁がちょっとだけ出て来る、いや、仙台弁のようなと改めよう、地元の皆さんは仙台弁を喋る気持ちは分かるけど…、全然ダメだと言われている。
東京の人間は無理だという、特に噺家は鼻濁音をつかうのでダメだというんだ。
仙台の言葉に鼻濁音は厳禁といわれて困惑した。
だから愚生の仙台弁は失格であって仙台弁風ということになる(笑)。
鼻濁音がつかえない若い噺家さんを見て羨ましいと思ったが、これってダメだよ(笑)。
地方が舞台だったり、登場人物が地方の人だったりする噺で、方言をどうするかというのは、非常に工夫の余地のある部分です。
落語では、地方の訛りを表現する時は、特定の○○弁ではない、江戸弁とは明確に違う言葉で演ります。
ただ、落語というのは、演劇とは違いますから、最初に出て来る場面で人物をインプットしておけば、地方の人も女性も、そんなに同じように演じ続けなくても、噺の流れで自然に理解してもらえるものです。
それが「芸」だとも言われます。
また、落語は東京(江戸)中心で演じられることが多いですから、地方の人を江戸弁で演じることもありだと思います。
Rimg0012jpg私の「ねずみ」は、桂三木助師匠をベースにさせていただきましたので、主人公の卯兵衛と卯之吉親子、生駒屋や番頭の丑蔵は、最初から江戸弁で演じ、他の地元の人たちだけ、(仙台弁ではない落語の)訛りを入れています。
三木助師匠の「ねずみ」では、一ヶ所、卯兵衛が「心安いなんて言われると、おしょしいですがね・・・」と語らせています。
仙台弁で「恥ずかしい、照れ臭い」という意味です。
圓窓師匠は、「甲府ぃ」で、善吉が豆腐屋の店先でおからを食べた時は訛りを強く出し、豆腐屋に奉公している過程で徐々に弱くして行き、夫婦で甲府へお参りする時点では、江戸弁で喋らせています。
言葉遣いで時間の経過を表現しているのです。
仙台に7年弱暮らしていましたが、仙台弁は喋ることが出来ません。
地元のお年寄り同士の会話は、なかなか聞き取ることが出来ませんでした。
やはり"ネイティブ"にはなれませんね。

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