患者や家族の気持ち
腹腔鏡を使う肝臓切除手術の後、患者8人が死亡していたという某大学病院。
手術の不適切な実施態勢が明らかになって、院長らが記者会見して謝罪したそうです。
今回の問題では、安全性や有効性が確認されていない手術が病院の管理部門に申請されないまま多数行われた結果、8件もの死亡例が積み重なったという、とんでもない実態。
カルテや患者に渡した同意書などからは、手術のリスクや、抗がん剤治療など他の選択肢について説明した形跡がみられない。
「簡単な手術と言われ、夫は望みをかけた。それなのに」。
肝臓がんの夫が腹腔鏡手術を受けて死亡した60歳代の女性は、女性によると、手術前、担当医から「腹腔鏡手術なら2週間で退院できる」と言われ、「早く退院できるなら」と応じたそうです。
しかし、手術の説明は専門用語が多くて理解しづらく、リスクについて説明を受けた記憶はない。
「あの時は、わからなくても、夫の病気を治すことで頭の中がいっぱいで、先生を信じて任せるしかなかった」と。
術後、容体はどんどん悪化。
担当医は多忙で、夫の経過について説明を求めても対応してもらえないことが多く、女性は不信感を募らせていったと。
当事者でないと、この種の不安は理解しづらいものかもしれませんが、家族に病人がいる者にとっては、本当に噴飯ものです。
何事においてもそうですが、担当者には日常のことでも、当事者は初めてのことが多くて、とても不安なものです。
そういう場面で、おざなりの対応や不遜な態度を取られると、心配が怒りに変わります。
先週のことです。
母が入院していた病院に用事があって行きました。
まず、受付で対応していた女性事務員の笑顔もなく、横柄で事務的な態度にムカッとしました。
こちらはよく分からないことですから、下手に出て尋ねたのですが。
そこで手続きを進めていると、納得できないことを要求されました。
母の代理で来たので、委任状が必要だと言うのです。
しかし、私の免許証も、同意を得ずにコピーして、最後にそれを言い出しました。
何故委任状が必要なのか問うても、明確な回答がありません。
要は、家族でも同居していない場合は委任状が必要で、なければ書類を書留で郵送するのは本人(母)の自宅に限ると言います。
確かに、個人情報に関しては、世の中全体が過敏になってますから、それが理解できない訳ではありませんが。
独り暮らしの老人が別の病院に入院したり、施設に入ったり、家族が引き取ったりしているケースが多いはずなのに、留守を承知で書留郵便を出すことの方が理に合わないのではと言うと、何と「委任状は代筆でも構わない」と言いました。
その言葉を聞いて、私の怒りは頂点に達しました。
「代筆したら委任状の意味など全くないじゃないか。どうしても必要だからと主張を曲げないなら、母に署名してもらって出直すことも考えたが、その発言を聞いたら、なお納得できない。」と強い口調で反論しました。
・・・私の剣幕に驚いたのか、上司の判断を仰ぐと言って奥に入り、約5分後にやっと出て来て言う答えは、「代筆で結構ですから、委任状を書いていただきたいと上司から言われた」と。
そんなレベルかと、呆れながらも、代筆で委任状を書きました。
それから、「書類が出来上がるのに、2~3週間かかる」と、お役所のように言っていました。
これまた不愉快極まりない気持ちでしたが、医師や看護士の方々には大変お世話になったので、「皆さんによろしくお伝えください」と、捨て台詞を残して出て来ました。
翌々日、2~3週間かかると言っていた書類が、書留で送られて来ました。
思わず笑ってしまいました。
病院に限らず、人的な接点のある人が、こんな応対をしているようでは・・・。