父の映像
昨日偶然見つけた父の生前の映像。
早速妹にもメールに添付して送りました。
妹は、放映当日、テレビ放送を録画したそうですが、VHSのビデオだし、最近は見ていなかったそうで。
それにしても、日々おびただしい数のニュースがある中で、20年も前の、たった2~3分の映像を見ることが出来るとは・・・。
久米宏キャスターと会話をする父の在りし日の姿。
父の姿をじっくり見て、あの頃のことを思い出しました。
24時間体制で警察に警備してもらいながらも、カルト教団の凶行を懸念して、時には母と二人で自宅とは別の場所に身を隠したりしたこともありました。
私が帰省すると、私の車が他県ナンバーだということもあって、自分の家に帰るのに何度も職務質問や、車のトランクの中や所持品のチェックをされたりしたものです。
かかって来た電話に私が出ると、ほとんどが警察やマスコミからで、その都度、警察からは「お前は誰だ」と言うような質問、マスコミからは父とのインタビューの依頼など、平和な日常とは全く違う状態になっていました。
後年、父はオウム真理教との戦いを自ら語ることはほとんどありませんでしたが、「いつか戻って来る息子たちのために」と、命がけで守ろうとした故郷にやっと訪れた平穏な姿には、様々な思いはあったにせよ、きっと満足していたことでしょう。
情けない話ですが、父の元気な映像を見て、涙が止まりませんでした。
あの出来事は、郷里にとって、日本中にとって、とても不幸なことでしたが、私には、偉大な父の姿(映像)を残してもらうことになり、我が家の宝物になりました。
学生時代に「お前が何になってもいいが、俺より偉くなったら大したものだ」なんて、父からよく言われました。
「何言ってんだ、田舎者の親父なんかすぐ追い抜いてやるよ」と、反発したものでした。
父の、倅に対する期待でもあり、照れでもあったのでしよう。
そして今、改めて自分の来し方を考えてみると、確かにまだまだ父の背中が遠い自分に気がつきます。
さぁ、これからどう生きて行くか・・、彷徨する愚息を、父は天の上からどんな気持ちで見ているのでしょうか・・・・?