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2014年10月16日 (木)

最強の台風?

「史上最強」「過去最強」「今年最強」・・・、ここのところ台風が来るたびに「最強」の台風がやって来ますが、本当に異常気象で台風もモンスター化しているのでしょうか?
「最強」の台風というのが近年増えているのでしょうか?
今まではあまり言われていなかったので、若干気になります。
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ある専門家によれば、「最強」の台風は増えてはいないと。
「最強」と“呼ばれる”ことが増えているということだそうです。
・・・なるほど、とても分かる気がします。
観測史上で最も強い(気圧が低い)台風は、1979年の20号だったそうで、沖ノ鳥島の南海上で中心気圧が870hPaまで低下。
今回の台風19号は、日本のはるか南海上で900hPaまで下がりましたが、これにはおよびませんでした。
だから、「史上最強」でも「過去最高」でもありません。
また、このレベルの台風が近年、増えている訳でもないそうです。
確かに、今回の台風19号は、一時は「今年最強」にはなりましたが、沖縄に接近した頃には、既に勢力が衰えて、今年最強ではない状況になっていました。
それでも、「最強」が連呼され続け、それがいつの間にか「史上最強」に変わっていることもあったようです。
さらに、この専門家によれば、「最強」台風は、簡単に作り出せると言うのです。
たとえば、期間や場所をしぼって、「10月として、○○に近づく中では」など対象を少なくすれば当然、一番になりやすくなります。
それが、いつの間にか諸々の条件が消えていき、「最強」が一人歩きすると言う訳ですな。
そうか、あの宇宙飛行士も、「私が見た中では、こんなに凄い台風の目は初めてだ」「私は、こんな凄い台風の目をみたことがない」ということなのですね。
また、言葉のアヤと言うのか、「最強クラス」「最強級」といった、「クラス」「級」もよく使われますが、これは少なくとも一番ではなく、二位以下ということです。
それでも、いつの間にか「クラス」「級」がはずれて、「最強」が出来上がってしまうという・・・。
ということで、どうも、「最強」という言葉が乱造され、価値が下がりつつある状況にあるようです。
スポーツ選手で、「10年に一度(一人)という逸材」と言われて、なるほどそうなのか、凄い選手なんだな・・と思ってしまうのと同じようなものかもしれません。
しかし、だからと言って、何番目に大きかろうが、小さかろうが、決して油断をしてはいけない、なめてかかってはいけないということは確かだと思います。

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