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2014年6月28日 (土)

知名度?

camera落語協会の会長交代にあたって、市馬新会長の知名度云々を問題視する人もいたという話。
噺家さんの知名度って・・、要するにテレビなどへの露出が多い人ということでしょうか?
確かに、多くの人が顔と名前が一致することは、大きなポイントのひとつではあると思いますが、会長に関して言えば、あればこしたことがない・・・、という程度だと思います。
そもそも、どの範囲での知名度かと言えば、落語ファンの中では、市馬会長の知名度は非常に高い訳ですから。
例えば、世襲の噺家さんやテレビに出ているから有名だからと言って、必ずしも実力とは整合しないでしょうし、会長としての器とも合致しないと思います。
私が師事している圓窓師匠は、若い頃「笑点」の大喜利メンバーだったことがあります。
兄弟子の先代圓楽師匠に勧められてのことだと思いますが、今、笑点メンバーだったことをご自身が語ることはありません。
師匠のスタンスや芸風が、ある意味でこの番組の対極にあるイメージもあり、元笑点メンバーをであることを売り文句にしない点は理解できます。
しかし、今では、師匠が笑点メンバーだったことを知っている人も少なくなったと思いますが、若手期待株として名前を売ることが出来た点では、師匠にとっても笑点の影響は大きかったと思います。
現に、私が師匠を知ったのも、この番組でしたから。
丹精に髪を七三に分けて、ちょっとハイトーンの若き師匠の印象は鮮烈でした。
市馬会長は、最近こそテレビなどへの出演もありますが、歴代の会長に比べると、露出度は確かに少ないと思います。
しかし、落語通の・落語ファンの評価は、勿論私もその中の一人ですが、極めて高いものが7あります。
副会長になった直後に、広瀬和生さんが、市馬さんを以下のように評していました。

昨年12月に落語協会副会長に就任した柳亭市馬。
彼は、「まともにやって面白い」落語家の代表格だ。
市馬は小三治と同じく五代目柳家小さんの弟子。
柔和な笑顔と大柄な身体から発散される温かな雰囲気は、観る者すべてを和ませる。
語り口は極めて魅力的で、表情の使い方も実に巧みだ。
そして、声が抜群に良い。
落語界きっての美声の持ち主と断言してもいいだろう。
若い頃から「小さん一門の優等生」と言われていた市馬だが、ここ数年でケタ違いに面白さを増している。
市馬が殻を破ったきっかけは、2002年に小さんが亡くなったことだ。
師の存命中は周囲の目を気にして「模範的であろう」と努めてきた市馬だが、当の小さんは市馬に「若いうちはとにかくウケろ」といっていた。
その師匠が亡くなった頃、市馬より下の世代の若手真打たちが、それぞれ個性的な「自分の落語」で台頭してきた。
「このままだと自分は埋もれてしまう」と焦った市馬は、思い切って「自分」を噺の中に出すことにしたという。「それを師匠も喜ぶに違いない」と信じて。
それが、市馬の才能を開花させた。
以前の生真面目な芸風からは考えられない大胆なギャグやアドリブを随所に盛り込むことで、市馬ならではの独特の世界が生まれた。
立川談春は市馬を「大人の風格がある」と評したが、まさにそのとおり。
人柄の良さがそのまま高座の爽やかさとなって表われている市馬は、談春とは別の意味で「将来の名人候補」といいたくなる大器だ。
当たり前の落語を、誰よりも心地好く聴かせてくれる柳亭市馬。
一般的にイメージされる「面白い古典落語」をのんびりと楽しみたい、という人には真っ先にお勧めしたい、何とも素敵な落語家である。

・・・知名度・・?
知られていないことより、知らない人が悪いんです。

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