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2014年4月19日 (土)

「鰍沢」in身延

身延山久遠寺の麓で「鰍沢」を演りました。
Fujigawa
この写真は、身延山の奥ノ院から眺めた身延の街ですが、会場はちょうど写真中央の建物が密集している真ん中にあります。
左側を蛇行して流れるのは、言わずと知れた富士川、この先(南)が東海道の岩淵へ、手前が鰍沢ということになります。
Minobugawa
60名ぐらいの皆さんの前で、叔父が、私が渡していた自己紹介のメモを全部喋ってくれました。
さて、いよいよ高座へ。
机の上に、叔母が黄緑色の布を敷き、緋色の座布団の鶴の絵柄を上にしてあります。
師匠の出囃子の「新曲浦島」がかかりました。
座布団に座ってお辞儀をして喋り始めようとしましたが、なかなかお囃子の音が消えません。
ちょっと待った後で、挨拶から始めます。Kajikasawa
父のことや「鰍沢」の説明などのマクラをふってから、いよいよ本題に入ろうとすると、脇に座っていた叔父から、「ちょっと待って」と声がかかり、やむなく一時中断。
「???」
「マイクを使っていませんが、後ろの席は聞こえますか?」と叔父。
・・・マイクは使わずにやるからと言っていたのですが、気になったのでしょう。
お年寄りで、耳の遠い方もいらっしゃるので。
しかし、噺の途中で「水入り」になるのも初めての経験です。
失礼ながら、お年寄りの会なので、しかも会議の後ですから、緩い雰囲気なのかと思っていました。
ところが、(良い意味で)会場はしぃ~んとしていて、静かで適度な緊張感もあって、とても良い雰囲気です。
生の落語、しかも「鰍沢」も初めての方がほとんどのようですが、じっと聴き入ってくださっているようです。
噺そのものの出来は、正直なところ酷いものでしたが、卵子酒を飲むシーンでは、拍手も出て、とてもとても楽しい高座になりました。
「南無妙法蓮華経」のお題目や、鰍沢・身延・岩淵・・・と、馴染みの名前が出てくる噺を選んで良かったと思います。
何とか、無事にオチまで行って「一本のお材木(題目)で助かりました」のところでは、「あぁぁ」という声も聞こえましたから、長講を寝ることなく聴いていただけたようで、とても嬉しくなりました。
叔父の顔もつぶさずにはすんだことでしょう。

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