「甲府ぃ」という噺
ある方が、こんなツイートをしていました。
落語語研究会、入船亭扇辰師匠の“甲府ぃ”の録画を見ている。
何だかほっとする。
いいもんだ。
一日の終わりに善人だけの噺を聴くのは。
爆笑するのもいい、人の悪口もいけない事はない。
怖い噺でもいい、身近な現代の新作でもいい、こんなふうに、しみじみするのもいい。
落語って、素敵だ。
「甲府ぃ」・・・。
私の持ちネタの一つ、石和温泉での自分の結婚披露宴で、余興の一番最初に自演した噺です。
先日のご贔屓の感想を聞くにつけても、落語って素敵です。
【甲府ぃ】
豆腐屋の店先で卯の花を盗み食いした男が捕まった。
話を聞いてみると男は善吉と言い甲府の叔父に育ててもらい、途中、身延山で三年の願掛けをして江戸に出て来たが、浅草の仲見世で掏りに会い、一文無しだ。
同じ法華宗と知った親父は、ここで働けと勧め、善吉は豆腐屋に住み着いて働くことになり、まず、売り声を教えてもらった。
「豆腐ぃ、ゴマ入り、がんもどき」
それから三年間まじめに働いて、お客さんの評判も良く、店の仕事は善吉が中心となっていった。
親父はすっかり気に入って、一人娘のお花と祝言を上げさせた。
ある日、甲府の叔父への報告と、身延山の願解きのために、お花と二人で五日ほど旅に出たいと申し出ると、親父は二つ返事で了承した。
翌朝、早速旅支度を整えて店先に立つと、近所の人達が、どこまで行くんだい?
夫が「甲府ぃ」
女将さんが続けて「お参り、がんほどき」
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