艪の漕ぎ方
師匠が、窓口さんの「船徳」の読み稽古を聴かれた後で、「舟はどちらへ進んでいるのかな?」という質問・・・。
この噺、登場人物は多くはないのですが、その位置関係を設定するのが難しいのです。
艪は、一番手元を右手で押さえ、左手を大きく前後に回すようにしますから、演者から見れば右側へ進むことになります。
・・ということは、客席からは、上手から下手(右から左)に横切るように進んで行くということです。
だから、船頭になりたての若旦那の徳さんには、お客さんは前方、即ち右側(下手)にいるということになります。
写真でみると、どの舟も、船頭さんの向きは同じです。
確かに、今まであまり意識していませんでしたが、こういう設定は本当に重要だと思います。
これって、プロの噺家さんでも徹底していないような気がするんです。