ご贔屓からの質問
ご来場くださったご贔屓の方から電話をいただきました。
今まで聴いていた「鰍沢」と違って、最後が夢になっていたが?
夢はどこから?
・・・という質問でした。
この噺のオチ近くの場面については、今回は師匠のオリジナルで演らせていただきました。
師匠の公式ホームページ「圓窓落語大百科事典」の「圓窓五百噺付録袋」で、この部分について、以下のようにコメントされています。
圓朝作の三題噺で「毒消しの御符」「卵酒」「熊の膏薬」がお題。
旅人と元花魁との会話は妖艶であり凄味があるという聞きどころ。
落ちは[お節徳三郎下]と同じなのが気に食わないし、また、命拾いをした瞬間に駄洒落を口にするのも不自然。
あたしは以前、「卵酒を飲んだあと眠った新助の夢だった」と設定にして他の落ちを工夫したこともあったが、成功したとは思えないので、それは捨ててしまった。
いつか、工夫したいと思案している。
以前、師匠と話していて「鰍沢」の話題になった時、師匠が上記と同じことを仰いました。
原作では、元花魁のお熊は最後まで悪人になってしまう。
だから、あたしは、他の噺でもよく使われる夢にして、後味の悪さをなくそうと思った。
(当代の)金馬師匠などが、この演出で寄席にかけたのを聴いていて、「夢にしちゃったね。面白いね」とは言ってくれたんだが・・・。
高座本では、即ち、今回私が演らせていただいのは、オチは相変わらず「お材木(題目)で助かった」という、あまり評判の良くない地口落ちのままでしたが、毒を飲まされて、雪の中を逃げて、鉄砲で撃たれるのは、夢の中の出来事ということにしました。
オチもさらに工夫して、重厚な噺に相応しいものにしたいものです。
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