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2014年2月 5日 (水)

大須演芸場

event名古屋の大須演芸場の閉館が話題になっています。
今頃になって、今さら、存続を期待する声が上がっているなどと報道されています。
今朝の日本経済新聞の社説「春秋」にこんな文章が載っていました。
新宿末広亭の楽屋は畳敷きで8畳ほどしかない。
取材で訪ねた折、出を待つ芸人さんたちでごった返していたので2階へ通じる階段の途中に避難していたら、名の通った落語家にやんわりたしなめられた。
「そこに立ってられると、客足を止めるっていって縁起が悪い」
験担ぎがいかにも寄席らしい。
それも「お客さんあってこそ」だからだが、その客が集まらず、名古屋の大須演芸場がおととい店じまいした。
家賃をため、裁判所に明け渡し命令を受けてのことである。
最終日は演芸場を閉鎖する強制執行官が開演中に現れ、満員の客が嫌みの拍手で迎えるという人を食った幕切れだった。
この世界で「つ離れ」という。
1つ、2つと数えていって10には「つ」がつかない。だから客が10人集まればめでたく「つ離れ」。その符丁で、寄席を知らぬ方もガラガラの客席が目に浮かぶだろう。
なかでも大須演芸場は極めつきだった。
止まる客足を相手に半世紀近い歩みを刻んだというのが、むしろあっぱれである。
1970年に東京の人形町末広が閉まったとき、いっぱいの客を見て「普段からこうやって来ないから潰れるんだ」と毒づいたのは立川談志師だったか。
お説の通りで、ずっと見向きもしなかったのになくなると知れば慌てて残念がる。
寄席に限らない。
こうして店もブルートレインも消えていく。
お客さんは薄情なのだ。

・・・そういうものです。
ところで、名古屋にお住まいの先輩「二代目多趣味亭狂楽」師匠が、落研OBのMLで以下のようなコメントを寄せていらっしゃいました。
何度もの閉鎖の危機を乗り越えてきていたから今度も大丈夫、と皆さん高をくくっていたら本当に閉鎖だそうだ。
席亭ももう高齢(80歳)で気力がなくなった。
何より今の名古屋の芸人たちの舞台に対する執着心がないのだという。
で、差押えの執行官が来る3日1時まで舞台を続けるのだそうです。
30年前、強制執行に来て追い返された元執行官からは「席亭がんばれ!」とハガキが届いているという、がもう無理。
演芸場の建物はそのまま残る、ので将来何らかの形での復活があるかもしれません。
因みに「大須演芸場」という名称は足立席亭に属するそうで、これを名乗るには足立氏の承諾が必要となる。
大須は、落語独演会のほか暮れのロック歌舞伎が私には楽しみでした。
維持費もままならない小屋の場内は寒く、めくりのお姐さんは着物下にとっくりセーターを着込んでいるという誠に昭和臭い寄席でした。
売れると中央に出てしまう芸人、見たいものを選んでしか出かけない観客、TV他見世物いっぱいの世の中で名古屋の地に常設の寄席はもう無理でしょう。
若手の鍛錬の場が無くなるのは痛いが、大須の街自体には人は戻っているので何かのきっかけでまた寄席舞台ができるといいなと思っている。
メディアが発達して、リアルは一極集中ということなんでしょうか・・・。

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