永久「鬼子母神藪中の蕎麦」
さぁ、いよいよ千早亭永久「鬼子母神 藪中の蕎麦」。
師匠が、先にご挨拶と紹介をしてくださり、随分お褒めの言葉もいただきましたので、いつもよりちょっと緊張して、ペットボトルの水を何度も飲んでから高座へ・・・。
でも、楽しかったぁぁ。
思いの外、言葉がすらすらと出て来る。
当日の朝まで、あれだけつっかえたり、つまったり、出てこなかったりしていたのに。
お客さまが聴いてくださっている、人情噺に涙ぐんでいるところが伝わって来ました。
毎回ご贔屓の叔父が、姉である母を、この会に合わせて東京に招待してくれ、会場に来てくれています。
自分が勝手に好きでやっている落語を、家族に無理矢理見せるのを良しとしないので、今まで、私から誘うことはしませんでした。
3月に亡くなった父も、「浜野矩随」も「藪入り」も「帯久」も、DVDの映像は見てくれていたようですが、結局生のを聴いてはもらえませんでした。
母は、近くの席に座った観客の方々からも褒めていただいたようで、とても嬉しそうだったようです。
それにしても、あんなに苦しんだのに、こんなに楽しいなんて……?
噺の構成を変えたことは、間違いなく正解だったようです。
また新しい財産になる噺になりました。