お崎さん
流三は、あたしをどんな風に描きたかったんだろうねぇ。
そのあたりがはっきりしないから、いつもと違うと思われたり、期待された可愛らしさも中途半端になっちまったりするんだよ。
きっと、あたしのキャラクターを、単なる騒がしい女じゃなくて、一途な女にしたかったんじゃないかい。
学生時代に、「男にとって理想的な女房は、厩火事のお崎さんだ」って言ってたそうじゃないか。
現実はどうだったんだかって・・・? あたしゃ知らないよ。
自分を一筋に愛してくれてて、働きがあって、ちょっと性格がきついのはご愛敬。
嫌われるかもしれないのを心配しながらも、一生懸命に尽くして生きているあたしの姿が、男にはたまらないのかねぇ。
尤も、こんなあたしを創り上げたのは、江戸時代の男たちのささやかな願望だったんだろうから、憧れて当たり前かもしれないね。
もっと亭主のキャラクターを際立たせて、これにとことん惚れるキャラクターのあたしを作らないと、思い通りに描くことは出来ないだろうさ。
亭主に惚れた女心の弱みを描かないと、この噺の良さは出て来ないかもしれないよ。
そうだよ。
師匠も、「名作だから、しっかりやり続けなさい」って、コメントしてたじゃないか。
もっともっと練り込んで行ってほしいもんだね。
しっかりおしよ。
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