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2013年8月29日 (木)

落語ハンドブック

冷徹さと人情をあわせ持ち、粋と野暮を行動規範とし、階級社会を達観して啖呵を切りながらそそっかしく生きる落語国の住人たち。
選りすぐりの登場人物84人を紹介する。
国立演芸場パンフレットの連載に加筆し書籍化。
亜紀書房刊・保田武宏著・1260円

落語にはいろいろな人物が登場します。
だが、講談の天一坊、村井長庵、畦倉半四郎のような、憎んでも憎み切れない極悪人は一人もおりません。
そうかといって、修身の教科書に載せたいような、世の模範となるような立派な人もいません。
落語は、立川談志がよく言っていたように、「人間の業を描いている」のです。
人間の生きざまを粉飾することなく描くから、ときにはあまりほめられないこともあります。ですが、これが人間の自然の姿なのです。
だから面白いのです。
衝動買いをしましたが、まぁ、すぐに斜め読み出来る本です。
八五郎や与太郎などは、もっともっと詳述されてもよいと思います。

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