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2013年8月16日 (金)

訪問客

新盆に来てくださる方も、盆に入ると少なくなります。
訪問客
中には、改めて、線香を上げに来てくださる方もいらっしゃいます。
故人のありしを話してくださると、家族が全く知らない父が現れます。
私には父親としての顔と、老いてからは子どもたちの祖父としての顔、時々頑固なところしか見せませんでしたから。
来てくださる方でも、気の置けない間柄だった方は、母や私に、ご自身の境遇を語ってくださいます。
よくある話かもしれませんが、同居している嫁との関係、遠慮や気遣い、先立つ時の残す妻の心配…。
まもなく90歳になる、父の親友が、自ら車を運転して来て、涙ながらに語って行きました。
あのおじさんの涙なんて、初めて見ました。
別の友人は、身体中が病魔に冒されながらも、今年の正月が迎えられるかと言われながらも、8ヶ月も”余計に“生きていて、突然逝った父より長らえていることを嘆きました。
もう一人の方は、奥さんが身体が不自由になり、毎日老々介護をしている。
明日の光が見いだせない境遇は、心にも、老いた身体にも、大きな負担になっているようです。
「お父さんは幸せだ」と、何度も何度も繰り返していました。
外からは、三代同居しているとか、子どもたちが立派だとか、羨むような家でも、色々あるようです。
「他の所、他の人には言えないけれど」と、悲しげに笑う顔が印象に残りました。
人の幸せって、難しいものです。
「ありがとう」と言って逝った父は、幸せな方かもしれません。

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