地語りの”禁句”
稽古で、師匠が一番厳しく仰ることがあります。
それは、地語りの部分で「・・・・でございます」と言ってはいけないということです。
師匠は、地語りの部分は、客席に演者の地で語りかけるのだから、普段話す口調と同じでなければいけない。
昔はともかく、現代では「・・・でございます」などと使うことはないのだから、使う必要はない(使ってはいけない)。
ございますを使うのは「おはようございます」ぐらいで、例えば「今日は良いお天気でございますね」なんていいませんよね。
プロの噺家でも、現代に合わせた新作や新しい演出を工夫している小朝さんや昇太さんも、「・・ございます」を多用していて、とても残念だというのが持論なんです。
それを念頭に聴くと、まぁほとんどの噺家さんが言うわ言うわです。
桃月庵白酒さんや、あまり好きでない三遊亭白鳥さんなんて・・・。
という訳で、我々の稽古場では、正面切って語る地語りは、「禁句:ございます」という紙が貼ってあります。
勿論、これは地語りの部分のことですから、ストーリーの中の会話では、登場人物が「・・・でございます」というのは、当然ありうる(あっていい)訳です。
皆さんも一度、寄席や落語会で、「・・ございます」に気をつけて聴いてみてください。
とにかく、気持ち悪いぐらい「・・ございます」だらけですよ。
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