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2013年6月 1日 (土)

「揺れるとき」のストーリー

ちょっと、前出しをしておくことにします。
Encho1_s圓窓師匠創作の「揺れるとき」は、真打昇進間もない16歳の「三遊亭圓朝」が、既に引退して神奈川宿に住まいをしている「初代三遊亭圓生」門下の「三遊亭西生」を訪ねるシーンから始まります。     
この「三遊亭西生」という人は、実在の噺家さんではなく、圓窓師匠が創作した元噺家で、若き圓朝に芸談を語る形にしています。
この初代圓生の弟子の「三遊亭西生」という人は、圓朝の師匠である二代目圓生とは兄弟弟子ということになり、圓朝の父親の「橘家圓太郎」とも親しく、圓朝が「小圓太」で初高座に上がった時に、この6歳の圓朝の様子を見て知っているというのです。
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噺の中では、この西生が圓朝に「寿限無」の稽古をつける場面があります。
これは西生の身体を借りて、まさに圓窓師匠ご自身の芸談が出て来ている場面です。
いつも稽古の時に師匠が仰っていることそのまま出ているのです。
ゆれるとき
・・・そして、その「寿限無」の稽古の最中に突然大地震が起こる。
世に言う「安政の大地震」です。
大地が突然大きく揺れても、西生は微動だにしない。
「どこへ行くんだい。外に出たって、外も揺れてるよ。」
このくだりも、東日本大震災の直後に語ってくださった、噺家さんとしての心構えや芸談そのもの。
その後、芝居噺で一世を風靡する圓朝は、素噺の人情噺で名人の名をほしいままにし、あれから44年経った明治32年10月の「怪談牡丹燈籠」が最後の高座となる。
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この「牡丹燈籠」の高座の場面。
「カラ~ンコロン、カラ~ンコロン・・・」と、愛しい「新三郎」を訪ねる「お露」の駒下駄の音・・・。
そしてこの高座の最中に再び地震が起こってしまう。
しかし、圓朝はぴくりともしない。
何事もなかったように、噺を進めて行く。
そして、客席に一人、これまた地震にも微動だにせず「牡丹燈籠」に聴き入る60歳ぐらいの女性がいる。
寄席がはねた後に楽屋へ訪ねて来たこの女性こそ、あの神奈川宿の三遊亭西生の娘だという。
父西生の位牌を胸に抱いて、圓朝の噺を聴いていたと・・。
ここからオチへと繋がって行く訳です。
とてもいい噺ですよ。

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