浜野矩随
何かこう・・憑りつかれたように、でもボーッとしながら落語を聴いています。
真夜中を跨いでたい平さんの「芝浜」を聴いて、朝起きたら無性に「浜野矩随」が聴きたくなりました。
勿論、先代の三遊亭圓楽師匠の、私が参考にさせていただいた、まさにその音源で。
当時は、音源から一字一句忠実にネタ本に書き写し、それを必死に覚えて演っていましたから、圓楽師匠の台詞より先行したり、重ねたりして聴くことができます。
こういうのは、やはり学生時代に覚えたからでしょう。
私と「浜野矩随」との出会いの頃のことを思い出します。
プロの真打落語家の桂文平から言われた「アマチュアなら大きな噺にチャレンジしてみろ」という言葉である。
12月に予定されている発表会で、人情噺「浜野矩随」という長講にチャレンジしてみようと決めていた。
2年生の時、休みで帰省する途中に立ち寄った鈴本演芸場で、三遊亭圓楽がトリで演った、題名も知らない噺。
いつか見つけ出して演ってみようと思っていた矢先、三遊亭圓楽のレコードが発売されて、「浜野矩随」という噺だと知った。
http://ranshi2.way-nifty.com/blog/2009/06/post-4626.html
そして、今年2月にも、この噺にチャレンジしました。
2年前の落語っ子連の発表会で、この「浜野矩随」を演りました。
それが、学生時代、OB落語会、50周年記念落語会と、通算5度目の「浜野矩随」の高座でした。
師匠から、身に余るコメントを頂戴しました。
・・・2年経って、無性に演りたくなりました。
この2年間で、師匠から教えていただいた数々のことを、この噺でもチャレンジしたら、きっと違う「浜野矩随」が出来るかもしれない、ということで、今回で6度目の「浜野矩随」です。
http://ranshi2.way-nifty.com/blog/2012/02/post-4954.html
それから調子に乗って、この時のことをダラダラと・・・。
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別の音源ですが、圓楽師匠の「浜野・・」にコメントがありました。
古今亭志ん生もやっていた講釈ダネの噺である。
「腰元彫」とは、腰元を飾る彫り物、つまり腰の物に付いた飾の彫刻であり、実は刀の柄に編みこまれている彫金でもある。
習作としてさまざまなものを彫ることはあるだろうが、圓楽の噺にあるような作品は実はない。
しかし、名人譚として大きく作るためには、この改作が活きたと言っていい。
また、原作では母親は死なないのだが、圓楽の演出では自害を遂げる。
強烈な印象が残るやり方だが、いささか可哀相に過ぎると、圓楽になぜかと聞いたことがある。
「独演会で回っていて、名古屋のほうだったか、乗って演じているうちについ殺してしまったら、これが大受けしてねえ。以来死ぬ演出にしてしまったんだよ」という。
落語が、演劇のように台詞を覚えて演じる芸ではないという証である。
その時の状況で言葉が変わる。
新しい演出も思いがけずに生まれたりするものなのだ。
滔滔とした口調で「寛政の年度に・・・」と始まり、下げを付けずに「怠らず・・・」の一首を引いて「浜野の一席でございます」と格調高く終わる。子供の頃聞き込んだ講釈の手法を入れた、圓楽ならではの世界である。
・・・この後、ついでのように、圓楽師匠の「芝浜」も聴きました。
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