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2012年12月19日 (水)

帯久

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「帯久」という噺は、もとは上方の噺のようで、「桂米朝」師匠・「桂文珍」師匠などの十八番のようです。
一方、江戸(東京)では、「三遊亭圓生」師匠がお演りになっていたようですが、あまり演る人はないようで、「立川志の輔」さんの音源がある程度のようです。
従って、この噺をご存知の方というのは、かなりのご通家といえると思います。
私のは、耳の肥えておられる方には、随分違和感のある「帯久」だったと思います。
師事している「三遊亭圓窓」師匠の本で、上方の師匠や、志の輔さんのとも違っている部分が多くあります。
もも
まず、和泉屋と帯屋の関係を笊碁仲間に設定し、借金をしやすい関係にしたこと。
次に和泉屋は、徹底的に善人にしたこと。
だから、煙草の吸殻は誤って転がったことにし、自ら火を点けたりはさせませんでした。
和泉屋は「放火」ではなく「重失火」にしたことにより、大岡越前の人情裁きに繋げたのです。
もも
この噺の肝は、大岡越前が、和泉屋を裁判では「有罪(死刑)」にしたものの実は救い、帯屋とは”司法取引”をして裁判では「無罪」としたものの実は懲らしめるという、「大岡裁き」の妙です。
死刑に執行猶予は付きませんし、状況証拠しかないため自白(しかも偽証)の強要や拷問など、かなり強引な手法での裁きですが、「人情」が全てに優先しているのです。
オチも、「本卦還り」という言葉は難しいですが、「本卦」と「本家」とをかけました。
師匠からは、直前に色々な注文が出て、当日ぶっつけ本番で演った場面もありましたから、ボロが多数出ていたと思います・・・。
例えば、冒頭の碁のシーンで、和泉屋が煙草を吸いながら石を置くところなど・・・。

そんな中で、ありがたいことに、ご贔屓の多くの方々から、直接・間接に数々のコメントを頂戴しました。
・帯久の演出には恩知らずの憎々しさがよく表われており感心いたしました。
・帯久の憎々しさが私には物足りないぐらいでした。
 (この噺を初めて聴いた時、帯久に悪意を感じてハラワタが煮えくり返りましたから)でも初めて聴いた人には、十分「イヤな奴」になっていたと思います。
・ナイス演技力!演劇を見ているみたいでした。帯久、悪いやつですね!むかつきました。
・聞いてるうちに 涙が出てきてしまったよ・・・・。
・人情噺は凄いね。ますます やる度、唸ってくるね!!

・・・・ありがとうございます。
本卦還りとは・・・、生まれた年の干支と同じ干支の年がくること。数え年で61歳になること。還暦。
大岡越前「・・・その方、分家と言わず本家を建て直したらどうじゃ」
和泉屋  「お奉行様、私には到底無理でございます。もう還暦でございますから・・・」
大岡越前「ならば出来るであろう、"本家帰り(本卦還り)"じゃ」

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