歩き稽古
「いつも発表会の直前になると、"歩き稽古"の話題になるけれども、今回はやらないの?」
・・・あの「Ⅰさん」から、核心を突いた質問をされました。
いつもなら、上野から地下鉄銀座線上(中央通り)を末広町あたりまでだとか、銀座から虎ノ門までだとか、最近は地下鉄千代田線の日比谷駅から日比谷公園を突っ切って虎ノ門までだとか、いくつかのコースで、ブツブツやっていました。
実は、今回も既にチョコチョコとはやっているんです。
でも、なかなか上手く出来なくて、いつも以上に苦しんでいます。
何がつらいかと言いますと、「和泉屋与兵衛」という主人公の名前が出て来ない。
地噺の部分も多いので、これも新しいチャレンジではあります。
そして、この和泉屋という人をどんなふうに描くか・・。
それに、大岡越前守のキャラクター作りも悩ましい・・・。
この噺で大岡越前守は、主人公の与兵衛をハッピーにさせるために「極刑」を言い渡し、懲らしめようとする帯久とは司法取引をして「無罪」にするという、逆さま・あべこべの「サーカス裁き」をする訳で、この「人情」と「非合理」のバランスの上に立つ裁きが「不合理」を感じないように描くのがポイントですから。
それにしても、今なら、拷問・自白(しかも偽証)の強要にもなろうかという手段を使い、奉行の権威を楯にして裁くという、かなり無理のあるお裁きなのではありますが、日本人はこういうパターンに弱いんですよね。
そろそろ「歩き稽古」を復活しますか・・・。
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