(江戸)文字鎖
「文字鎖(もじぐさり)」というのは・・・、要は「しりとり」のこと。
1.和歌などの修辞法の一
句の終わりの文字を次の句の頭に置いて、鎖のように続けて
いくもの。仮名鎖。
また、定められた語句を1音ずつ各句の頭において詠むもの。
2.女子の遊戯の一
一人が古歌を詠むと、次の者はその歌の末尾の音が最初に
ある別の古歌を詠み、これを順次続けていくもの
ルーツとなっている中世の「文字鎖」は、長歌の最後の言葉が次の長歌の最初にくるようにしたもので、江戸時代の「ある文の最後の単語を次の文の最初の単語に続ける」から現在の「しりとり」に発展したようです。
言葉の遊びというのは、本当に面白いものです。
もともと、「文字鎖」というのは、「長歌の最後のことばが、次の長歌の最初にくるようにしたもの」のようです。
たとえば、「源氏文字鎖」というものがあるそうです。
源氏物語の各巻のタイトルを、「しりとり」の方式でつないで覚えておくというものだそうで。 「源氏のすぐれてやさしきは、はかなく消えし桐壺よ、余所(よそ)にも見えし帚木(ははきぎ)は、われからねになく空蝉や、やすらふみちの夕顔は、若紫の色ごとに、匂ふ末摘花(すえつむはな)の香に、錦と見えし紅葉賀、かぜをいとひし花宴、むすびかけたる葵草、賢木におく霜は、花散里のほとゝぎす、須磨のうらみに沈みにし、忍びて通ふ明石潟、たのめしあとの澪標(みをつくし)、しげき蓬生(よもぎう)つゆ深み、水に関谷の影うつし、知らぬ絵合おもしろや——(長いので省略して)——契りのはては蜻蛉(かげろう)を、おのがつまひの手習は、はかなかりける夢浮橋。」
・・・なるほど。