雲光院でさん喬師匠を聴く会
日本文化研究会の「雲光院で柳家さん喬師匠を聴く会」。
清澄白河の龍徳山雲光院での会も何回になるでしょうか。
今日は何と最前列の真ん中の席で、真っ正面から聴くことに。
法然上人の肖像の掛軸が借景になって、ちょうど並んでいる感じになります。
◆ 熊の皮 柳家さん弥
◆ へっつい幽霊 柳家さん喬
◆ 黄金の大黒 柳家さん弥
◆ 唐茄子屋政談 柳家さん喬
酷暑の続く昼下がりに、涼しいお寺の本堂で聴く人情噺。
もしかすると、とても贅沢な遊びなのかもしれません。
「唐茄子屋政談」は期待通りの熱演でした。
さん喬師匠は、CDにも収録されていますから、何度も聴いてはいるのですが、なんと言っても、正面最前列で聴く長講です。
若旦那が、一日のうちに様々な人生経験を積み、人の心や情けを身体で覚えて行くプロセスを、さん喬師匠が丁寧に語りかける・・・。
今日の私は、天秤棒に振り回されて転んだ若旦那の事情を聞いて、唐茄子を近所の人たちに売ってあげる人に、何故かとても心を動かされました。
この人は、人の道の機微を知っていているんだと・・・。
おいおい、ここで涙を流していたら、後の場面まで持たないぞと思いながら、私自身も、人の心や情けを同時に学んでいるんだなぁと思いました。
若旦那の「唐茄子屋、唐茄ぁ子・・・」の売り声の、悲しく・寂しく・苦しい、でも何か心強い・清々しい・・。
生まれて初めて稼いだ金を施す時の若旦那の心持ちは、表面的な憐れみではなく、心からの慈しみになっている。
こうして、彼は一日で大人になったのです。
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