のり屋の婆さん
落語に「のりやのばあさん」なる人が出て来ます。
この「のりや」の「のり」というのは、「海苔」?それとも「糊」?
海草?洗濯ノリ?接着剤・・・?
答えは、姫糊(ひめのり)を作って売るおばあさんのことです。
姫糊は洗濯用の糊で、着物を洗ったあと型くずれさせないためのものです。
この姫糊を作り、売り歩くのは、江戸時代にはほとんど老人、それも老婆が多かったということです。
この糊屋の婆さん、落語では脇役として多数の噺に登場しますが、うらぶれた極貧の老後の代名詞とでもいえる存在です。
老いの身に、糊を入れた桶を紐で肩から提げ、「お花荒神(こうじん)のりやのり」と言って売り歩いたんだそうです。
(落語に出て来る)糊屋の婆さんは、扶養してくれる旦那さんや子供がいない独身女性の象徴です。
裏長屋に住んでいて、余ったご飯をもらって”姫糊”をつくっています。
洗い張りは、現代における洗濯と同じ頻度で行われる事なので、江戸時代の長屋には生活必需用品。
必ず1軒の糊屋さんがあったそうです。
しかも、糊屋の婆さんの生活を守るために、商売敵は入れないことになっていたようです。
長屋ごとに糊屋の婆さんが一人と決まっていた訳。
井戸端で、おかみさんたちがお釜を洗うときに、流れるご飯粒をザルをおいておき集めて糊にしたようです。これではとても足りないと思いますが・・・・。
このように、地域ごとに互助精神が生きていて、婆さんの生活が苦しそうな時はちょっと多めにご飯粒を流したり・・・・、といったことがあったそうなんです・・・・。
人情裏長屋ですね。
私の「佃祭」でも、台詞はありませんが登場するお婆さんです。
一方で、長屋のアイドルが、「小間物屋のみぃ坊(みぃちゃん)」です。
本名は、なんて言うんでしょう。
「みよちゃん」「みほちゃん」「みえちゃん」「みかちゃん」・・・・。
中でも、建具屋の半公(半ちゃん)が、この小間物屋のみぃ坊に、ばかな惚れようでした。
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