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2012年8月24日 (金)

おさき(崎)さん

落語に登場する多くの女性を対象に「総選挙」が行なわれたら、トップ得票になるのは、間違いなくこの「おさき(崎)さん」でしょう。Fw:電子メールで送信: kamiyui.jpg
もう、「AKB48」の何とかちゃんも真っ青の人気者です。
「おさきさん」というのは、「厩火事」に登場する髪結いさんです。
亭主は7歳年下のいわゆる「髪結いの亭主」。
これはもう、働きもせず昼間から刺身で酒を飲むような男なのですが、お崎さんはぞっこんなんです。
亭主に貢いでいるのを誇りに思っているのです。
そして、姉さん女房ということもあって、とても世話焼きタイプの女性なんです。
夫婦喧嘩をする時もありますが、亭主に対して心配なことは、年上の自分を捨てて若い女性に走ってしまわないかということ。
最愛の亭主を失うことを心配しながらも、テキパキとした世話好きの、働きのある可愛い女性。
怠惰な男にとっては理想的な女性です。
当たり前ですよ。
だって、落語は、男が男の都合の良いように作ったものですから。
私も、初めて落語に触れた大学生の時、理想の女性は「おさきさん」だと思いました。
が、現実は「お先に失礼」されたようです。
現実というのは厳しいものです。

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髪結いの亭主を良いことに毎日遊んで暮らしている亭主と毎度の夫婦喧嘩になり、おさきが兄貴分に愚痴を並べる。
そんなに嫌なら別れちまいなと言われても、惚れている弱みで簡単には割り切れない。
私を大切に思っているのかしら。
そこで兄貴分がこんな話をする。
唐土の学者、孔子が外出中に厩が火事になり大切にしていた白馬を失ったが、家中の者に怪我はないかと気遣い、馬のことは一言も触れなかった。
一方麹町のさる旦那は、青磁の皿を抱えたまま階段を滑り落ちた妻に対して皿は損じなかったかと聞き、妻の体を案じなかったので離縁された。
本当の了見はいざと言う時に表われるものだ。
亭主が大事にしている物を壊してみろとけしかける。
早速、亭主が大事にしている骨董の皿を、見ている前でわざと転んで割ってしまった。
「おい、大丈夫か、怪我はないか」
「うれしい、それ程私の身体が大事なの?」
「お前がいなかったら遊んで酒が飲めねぇ」

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