« 天下たい平落語はやおき亭 | トップページ | うさぎおいし・・・ »

2012年7月30日 (月)

蕎麦を「たぐる」

noodle寿司をつまむ。
 お茶漬けをかき込む。
 鍋をつつく。
 お茶をすする。
 蕎麦をたぐる。
Fw:電子メールで送信: 300px-ZaruSo<br />
 ba2.jpg
・・「食べる」「飲む」を、ちょっと別の表現をすることがあります。
上の例などは、食べる(飲む)ものを想像すると、容易に理解出来るのですが、「蕎麦をたぐる」という、この「たぐる」という言葉は、よく分かりません。
いろいろ調べてみました。
「たぐる」は漢字で「手繰る」と書き「綱などを両手を交互に使って手元に引き寄せる」こと。
蕎麦は両手で引き寄せはしませんが、これが蕎麦に使われるようになったのは、江戸時代の大工さんの隠語で、蕎麦のことを下縄(さげなわ)と呼んだことから始まったそうです。
下縄とは、土蔵の木舞(こまい)に結んで下げた縄で、土壁に塗り込んで壁の強度をあげる目的で使うものです。
「縄」だから「手繰る」。
ここから「蕎麦を手繰る」という言い方が広まったと言われています。
・・・なるほど、それが蕎麦を食べることを気取って言う隠語のようなものになっている訳ですね。
岡本綺堂の「半七捕物帖」に半七の言葉として出て来るそうです。
昔、ある噺家さんが、言っていたそうです。
たぐるという動作をやってみればわかるように、それは、手で助けてやらないとこっちに来ないもののことを言う。
つまり、箸でつまんで口まで送り込んでやらないと、喉に入っていかない蕎麦を食べるときに「たぐる」と言うのだ。
うまい店の蕎麦は、「すする」ものである。
箸で「たぐる」必要はない。
だから、「蕎麦をたぐる」と言うのは、まずい蕎麦か、蕎麦屋が謙遜して言う場合のみだ。
醤油のことを「下地」だとか「紫」、お勘定するのを「おあいそ」というようなもの?
半七捕物帳で「たぐる」という言葉が使われているのは、夜鷹そばなど屋台が多く、安かろうまずかろうで、麺は当然伸びきっているようなものばかりだから、「たぐる」というのは、もとはあまり気取った、粋な言葉ではなかったのかもしれません。

« 天下たい平落語はやおき亭 | トップページ | うさぎおいし・・・ »

徒然」カテゴリの記事