« 高座本「鰍沢」 | トップページ | 黄昏 »

2012年6月14日 (木)

金願亭乱志「救いの腕」

何の自慢にもなりませんが、掛け値なしの本当に、正座して通しで稽古が一度も出来ずに臨んだ高座でした。
師匠創作の「救いの腕」。
師匠からネタ下ろしの時に言われたことを思い出して、とにかく自然に感情移入をして、自分の口調でしっかりと語ることを心がけることにしました。
落語の絶対音階のない私が、第一声で発する声をベースにして登場人物になりきり、噺の流れに身を任せて語ろう。
Fw:写真
不思議なことに、言葉は自然に出て来ます。
後半は、大川と浅草と向島を思い出して、お花見の喧騒が遠くに聞こえ、大川越しに待乳山聖天から山谷堀、奥に五重塔を望むことをイメージして、主人公の「お香」に吾妻橋を渡らせました。
ネタ下ろしの時には表現出来なかった部分です。
師匠から、「噺はね、活字で覚えちゃいけないよ」と言われて、良く言えば自然に、悪く言えば出たとこ勝負(ぶっつけ本番)で噺を、会話を、地語りをする。
流暢さや鋭さに欠けて、一見上手には見えないかもしれないが、感情と情景を描く努力。
落語を知らない同僚のFさんに、「噺で映像を見せることが出来ることを体験しました。いろんな情景が見えてきました。見たこともない風景が見えてくる! すごいです」と言わしめることが出来たのは、その一部でも表現できたからなのかもしれません。
師匠の御守だと思って、高座の座布団の脇に置かせてもらった湯呑の存在に助けられました。
馴染みのない噺で、まごついたお客さまもいたかもしれませんが、私は新しい体験が出来ました。
出囃子は、勿論師匠のを拝借して「新曲浦島」。

« 高座本「鰍沢」 | トップページ | 黄昏 »

落研」カテゴリの記事