師匠の明烏
先日の工学院大学のオープンカレッジでの師匠の「明烏」。
「この噺は、何十年もずっと演っていなかった」と仰りながら・・・。
ブログでも以下のようにコメントされています。
工学院大学オープンカレッジ。
[明烏]。
三十何年ぶりのこの噺の口演。
最近、落語っ子連の窓口(まどぐち)さんのこの噺の稽古で
さんざ聞いてたので、久しぶりの緊張感はなかったが、やはり
出来は、、、、。
カルチャーセンターですから、今はなくなってしまった「廓」の仕組み、例えば「茶屋」だとか「ひきつけ」だとかの説明や、「見返り柳」や「大門」の描写も丁寧に、また大店の若旦那の跡取りとしての素養なども含めて、45分ぐらいかけての熱演でした。
そうそう、この噺は、昨年1年間、落語っ子連の窓口さんが稽古していましたので、私も何度も聴いて、覚えてしまうほどでした。
この噺は、源兵衛と太助の立ち位置やキャラクターをはっきりしておかないと、どっちがどっちだか分からなくなってしまい、噺全体もぼやけてしまいます。
そのあたりを、師匠は丁寧に語っていましたから、「吉原」という未知の場所でしたが、物凄く鮮明にイメージできました。
これが「話芸を楽しむ」ということ、これが「圓窓の語り」ということで、このオープンカレッジのテーマが、見事に表現されていました。
源兵衛と太助という町内の札付きの悪(わる)の二人は、日向屋の主の善兵衛に「堅物の倅(時次郎)を吉原へ連れ出して柔らかくしておくれ」と頼まれた。
そこで二人は「お稲荷さんのおこもりに行きましょう。お父っつぁんも承知の上ですから」と時次郎を連れて吉原へ行き、誤魔化しながら見世へ上り込む。
時次郎はそこが女郎屋とわかって「先へ帰ります」と駄々をこねる。
が、二人は「大門の所に廓を取り締まる男がいて、三人で上がって一人だけ帰る者がいると、不審者として捕まえることになっている。若旦那、今、一人で帰ってごらんなさい。大門の所で縛られますよ」と嘘を付いて、思いとどまらせる。
時次郎は止むを得ず、相方の花魁(浦里)の部屋に引き下がった。
翌朝、部屋へ源兵衛と太助の二人がきて「帰りましょう」と言うと、時次郎は「まだ帰りたくない」と言い出す。
二人は呆れて「あっしらは仕事がありますので、先へ帰りますよ」
すると時次郎が、「あなたがた、帰れるものなら帰ってごらんなさい。
大門で縛られます」・・・・
ストーリーもオチも良いし、落語の名作のひとつですね。
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