« 落語DEデート | トップページ | 落語はやおき亭 »

2012年6月 3日 (日)

木乃伊取り

圓生師匠の噺。
また、寝ながら聴いて、途中から意識不明というパターン。
「木乃伊取りが木乃伊になる」・・・。
木乃伊を取りに行った人が、熱帯であるため乾燥して、うっかりすると自分までも木乃伊になってしまうというところから、人を連れ戻すために出掛けた者が、役目を果たさず、先方に留まってしまうこと。
また、意見しようとした者が、話しているうちに先方と同じ考えになってしまうこと。
木乃伊は、江戸時代初期から、万能薬として輸入されていた。
日本語の「ミイラ」は、オランダ語の「モミイ=瀝青」を語源とし、たまたま、香辛料である「没薬(ミルラ)」と発音が似ていたため混同して用いられたとする。
「木乃伊」という字は、中国語(ムナーイー)を借用したものだということです。

道楽者の若旦那が、今日でもう4日も帰らない。
心配した大旦那が、番頭の佐兵衛を吉原にやって探らせると、江戸町一丁目の「角海老」に居続けしていることが判明。
番頭が、「何とかお連れしてきます」と出ていったがそれっきり。
5日たっても音沙汰なし。
大旦那が、「あの番頭、倅と一緒に遊んでるんだ。誰が何と言っても勘当する」
と怒ると、お内儀が「一人のせがれを勘当してどうするんです。
鳶頭ならああいう場所もわかっているから、頼みましょう」ととりなすので呼びにやる。
鳶頭「何なら腕の一本もへし折って」と威勢よく出かけるが、途中の日本堤で幇間の一八につかまり、しつこく取り巻くのを振り切って角海老へ。
若旦那に「どうかあっしの顔を立てて」と掛け合っているところへ一八が「よッ、かしら、どうも先ほどは」
あとはドガチャカで、これも5日も帰らない。
「どいつもこいつも、みいら取りがみいらになっちまやがって。
今度はどうしても勘当だ」と大旦那はカンカン。
「だいたい、おまえがあんな馬鹿をこさえたからいけないんです」と、夫婦でもめていると、
そこに現れたのが飯炊きの清蔵。
「おらがお迎えに行ってみるべえ」と言いだす。
「おまえは飯が焦げないようにしてりゃいい」としかっても、「仮に泥棒が入ってだんながおっ殺されるちゅうとき、台所でつくばってるわけにはいかなかんべえ」と聞かない。
「首に縄つけてもしょっぴいてくるだ」と、手織り木綿のゴツゴツした着物に色の褪めた帯、
熊の革の煙草入れといういでたちで勇んで出発。
吉原へやって来ると、若い衆の喜助を「若だんなに取りつがねえと、この野郎、ぶっ張りけえすぞ」と脅しつけ、二階の座敷に乗り込む。
「番頭さん、あんだ。このざまは。われァ、白ねずみじゃなくてどぶねずみだ。鳶頭もそうだ。この芋頭」と毒づき、「こりゃあ、お袋さまのお巾着だ。勘定が足りないことがあったら渡してくんろ、せがれに帰るように言ってくんろと、寝る目も寝ねえで泣いていなさるだよ」
と泣くものだから、若旦那も持て余す。
あまりしつこいので「何を言ってやがる。てめえがぐずぐず言ってると酒がまずくなる。帰れ。暇出すぞ」と意地になってタンカを切ると、清蔵怒って「暇が出たら主人でも家来でもねえ。腕づくでもしょっぴいていくからそう思え。こんでもはァ、村相撲で大関張った男だ」
と腕を捲くる。
腕力ではかなわないので、とうとう若旦那は降参。
一杯のんで機嫌良く引き揚げようと、清蔵に酒をのませる。
もう一杯、もう一杯と勧められるうちに、酒は浴びる方の清蔵、すっかりご機嫌。
ころあいを見て、若旦那の情婦のかしく花魁がお酌に出る。
「おまえの敵娼に出したんだ。帰るまではおまえの女房なんだから、あくぁいがってやんな」
花魁「こんな堅いお客さまに出られて、あたしうれしいの。ね、あたしの手を握ってくださいよ」としなだれかかってくすぐるので、清蔵はもうデレデレ。
「おい番頭、かしくと清蔵が並んだところは、似合いだな」
「まったくでげすよ。鳶頭、どうです?」
「まったくだ。握ってやれ握ってやれ」
三人でけしかけるから、「へえ、若だんながいいちいなら、オラ、握ってやるべ。
ははあ、こんだなアマっ子と野良ァこいてるだな、帰れっちゅうおらの方が無理かもすんねえ」
「おいおい、清蔵、そろそろ支度して帰ろう」
「あんだ? 帰るって? 帰るならあんた、先ィお帰んなせえ。おらもう二、三日ここにいるだよ」

« 落語DEデート | トップページ | 落語はやおき亭 »

落語・噺・ネタ」カテゴリの記事