噺家のはなし
広瀬和生さんの最新著「噺家のはなし」 。
〈落語という大衆芸能において、個々の演目は作品として独立して存在しているわけではなく、噺家が高座から観客に向かって語りかけるための素材(ネタ)に過ぎない。
演目という「素材」に生身の噺家が生命を与えることで落語というエンターテインメントは初めて成立する。
目当ての演者のパフォーマンスを楽しみに行くべきものなのだ。〉
1970年代以降、ほぼ毎晩寄席やホールに通っているという広瀬氏が厳選した「いま訊いておくべき落語家50人」の持ち味、得意演目、聴きどころから、将来への展望までを詳説、さらに現代の落語界の潮流や問題点などにも言及している。
従来の落語家ガイドと違うのはそのラインナップ。
真打としてのキャリアも長く、テレビなどでの知名度が高くても、最近の高座を評価することができない落語家は取りあげられていない。
一方、旧世代の評論家が切り捨てた落語家を再評価していたり、将来性豊かな二つ目をとりあげているケースもあり、落語好きが納得するだけでなく、初心者にとっても落語の面白さを堪能するためのかっこうの入門書となっている。
一人当たり4ページとコンパクトにまとめ、連載中も好評だった南伸坊氏の似顔絵イラストも収載。
小学館。1,680円。
さあ、どうする?
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