山号寺号
鬼子母神の法明寺は、正式には「威光山法明寺」と言います。
日蓮宗の総本山は「身延山久遠寺」。
浄土宗では、「三縁山増上寺」。上野には「東叡山寛永寺」・・・。
落語に「山号寺号」というのがあります。
若旦那が浅草の観音様にお詣りに行く。
そこへ幇間の一八が現れる。
どこへ行くのかと尋ねた一八に、浅草の観音様だと答えると、「ああ、金龍山浅草寺ですか」と言う。
さらに一八はどんなところにも山号寺号があると言ってしまう。
どんなところにもあるんだなと念を押して、若旦那はこの場にも山号寺号があるか、と一八に迫る。
弁解をする一八だが、若旦那は言うことを聞かない。
もしあったら金をやるという。
頓知を利かせて一八は「時計屋さん今何時」、「看護婦さん赤十字」など、次々に「山号寺号」を披露する。
お蔭で若旦那はすっかり金を巻き上げられてしまう。
「今度は私がやろう」と、若旦那は一八の財布をふところに入れ、「一目散随徳寺」と言って逃げる。
(「随徳寺」とは、ずいっとそのままにして逃げることを指す古い言葉)
それに対して、逃げられた一八は「南無三、仕損じ」・・・。
これ、とても面白い噺ですよ。
まだまだ・・・・、「おかみさん拭き掃除」「乳母(おんば)さん子が大事」「自動車屋さんガレージ」「洋服屋さん紺サージ」「洋食屋さんソーセージ」「果物屋さんオレンジ」「お医者さんイボ痔」・・・・。
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