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2012年5月 3日 (木)

道灌

「道灌」という噺、なぜか好きなんです。
Photo柳家一門の噺家さんは、必ずこの「道灌」から稽古するんだそうです。
八っつぁんが隠居の家を訪ねたとき、床の間の掛け軸の説明を聞いた。太田道灌の鷹狩の図で、娘が山吹の枝を道灌に差し出している絵である。
「道灌が山吹の里で狩りの途中、雨に会った。雨具を借りようと、一軒の貧しい家に立ち寄った。
その家の娘が『お恥ずかしい』と言いながら山吹の枝を差し出した。これは、雨具がないので、お貸しできないとの断りを現している場面だ。
これはずーっと昔、兼明親王(かねあきら・しんのう)が雨具を借りにきた者へ、山吹の枝を折って与えて帰したことがある。
その人があとで『どういう意味ですか』と訊きにきたので、返事として[七重八重花は咲けども山吹のみの一つだになきぞ悲しき]という歌を詠んでやった。
[実の]と[簑]を掛けて『雨具がございません』ということだ。
この故事は[後拾遺和歌集]に載っている。
Photo_2
それを知っていた娘がとっさのトンチでおこなったことなんだ。
しかし、道灌にはその古歌も娘の意図もわからない。
家来がその説明をすると、道灌は『余は歌道に暗い』と気づき、その後、歌を懸命に学んで一流の歌人になったんだ」
「あっしも傘を借りに来たやつをその歌で断わるから、紙に書いてくんねぇ」
八っつあんは、その紙をもらって帰る。
Photo_3宅すると、うまい具合に雨が降り出した。
そこへ、友達が「提灯を貸してくれ」と飛び込んでくる。
「傘を」ではなく、あてがはずれたが、どうしてもあの歌を使ってみたいので、書いてもらった紙を差し出して、相手に読ませる。
「なんだい、これは。なけりゃ食へ 腹は空けども 鰹節の 味噌ひと樽と 鍋と釜敷…?
これは勝手道具の都々逸か」
「これを知らないところをみると、歌道に暗いな」
「角(歌道)が暗いから、提灯を借りに来た」
そうそう、この噺が覚えたいから、師匠から高座本貰って来た・・・。

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