談志師匠のこと
三流亭の稽古会の時に、圓窓師匠が、問わず語りに談志師匠の話をしてくださいました。
談志さんは本当に落語が好きだった。古典落語が大好きだった。
若い頃から古典落語が一番だといつも言っていた。
とにかく多才な人だったから、落語だけではなく、司会もお喋りも何でも器用にこなした。
自分の落語会などでは、着物を着ないで新聞を持って高座に上がって、「今日の新聞でなぁ・・・」と、即興で話す時事ネタなどは素晴らしかった。
その色々なものを、最も愛する落語に入れようとしてもがいた。
もがいたけれども、結局落語に入れることが出来なかった。落語を愛している一方で、それと相容れない世界にも長じたギャップが埋められずに、後半から晩年は、破壊的になってしまい、落語もあまり良くなかった。
先月27日の横須賀の落語会では、談志さんが亡くなってすぐだったから、談志さんにたった1つだけ教わった「人情八百屋」という噺を頑張ってやってみた。
この噺しか教わらなかったけれど、稽古をつけてもらっていると、台詞を何度も遮って「ちょっと、ここはなぁ、こういうことだから・・」とか、「ここは俺はあまり好きじゃねぇんだけども、師匠がそう演ってたから・・」とか、それはそれは談志さんらしい、熱い稽古だった。
・・・懐かしそうに話す師匠も、同じように落語が大好きで、寝ても覚めても落語という人生を送っている人の、穏やかな表情でした。
とても良い噺を聴かせていただきました。
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