香道
書物で「香道」について調べてみました。
(体験した後で調べてどうするの・・ですね。)
香道とは、一定の作法に基づいて香木をたき、その香りを鑑賞して楽しむ日本の伝統芸能です。
香道では、香りを「嗅ぐ」という表現は使わず、「聞く」といいます。
香元が、点前〔てまえ〕(香をたく一連の動作)をし、その香炉が客の間をまわり、客は香りを味わうというものです。
また、「香りを当てる」というゲーム的要素もあります。
ただし、「香りを当てる」ことが第一目的ではなく、香りそのものを味わい楽しむこと、そして香りによって浮かぶイメージのなかで感性を磨き、自分を高めることを目的としています。
・・・と、先日の高幡不動での聞香の会で、黒須秋桜先生は仰っていたと勝手に思っています。
香道の席(香席)で行われる「組香〔くみこう〕」というものがあります。
組香は、2種類以上の香を使って一つのテーマを表現し、鑑賞するもので、テーマは和歌や古典文学に基づくものです。
客は香りで表現された古典文学の世界を鑑賞し、香りを聞き分ける。
つまり、香道は香りを楽しむことを基本に、香りにまつわる古典的な詩歌や文学作品とも深く結びついていると言えます。
○香炉の扱い方
香炉が自分の所へ回ってきたら、左手の上に水平にのせ、右手で軽く覆い、親指と人差し指の間から香りを聞きます。
○香の聞き方
背筋を伸ばし香炉を傾けないようにし、深く息を吸い込むようにして3回香りを聞きます。これを三息〔さんそく〕と言います。
吸った息は脇へ軽く逃がします。一人があまり長く聞き続けていると末席まで良い香りが保てないので、一人三息は必ず守らなければなりません。
○香席に入る時は、
香木の香りと混ざるため、香水・オーデコロン等匂いのあるものをつけてはいけません。身だしなみとして指輪、時計等もはずして香席へ入ります。服装は、男性はネクタイ着用、女性はスカート着用が好ましい服装です。
香道の歴史を紐解くと(バラバラになってしまいますが)・・。
○香道の歴史
今から約1400年前の推古天皇の時代に一本の香木が漂着したのが日本で初めての香木の渡来です。
その後、仏教の伝来とともに香木は日本に伝わり、仏教儀式には欠かせないものとして、香木は発達しました。
8世紀ごろ上流階級の貴族の間で自分の部屋や衣服、頭髪などに香をたきこめる「空薫物(そらだきもの)」の風習が生まれ、その流行に従って薫物合〔たきものあわせ〕という遊びが盛んになりました。
二種類の薫物を調合、その技術や匂いの優劣を競うものでした。
そして、室町時代の華やかな東山文化の下で一定の作法やルールが作られ香道として完成しました。
江戸時代に入り、香道は貴族だけのものではなく、一般の町民・庶民の間にも広まり香道は日本の伝統芸術として確立しました。