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2011年11月 7日 (月)

上方落語の四天王

産経新聞に上方落語に関する本の紹介記事がありました。Photo_4
上方落語を隆盛に導いた桂米朝ら四天王に焦点を当てた本が出た。
「上方落語の四天王/松鶴・米朝・文枝・春団治」(岩波書店)で、落語に関する本がたくさんあるなか、彼らの十八番を例に挙げてその本質を論じ、読み応えのある内容になっている。
筆者の戸田学氏は長らく落語の世界に接し、これまで「桂米朝集成」(同)などを手がけている。
まずは米朝から書き起こし、「稀代のストーリーテラー・米朝」の落語の品格と格調の高さはどこからきているのか。米朝が一番むずかしい噺という「百年目」や「天狗裁き」などの一部を紹介しながら、セリフを“かぶせる”演出の効果などを解いてゆく。
六代目笑福亭松鶴については、声を“音”としてとらえ、大作「らくだ」などを挙げて大阪弁の言い回しと発音、さらにはセリフの最後にボソリと漏らすひとことに、松鶴落語のおかしさと魅力があるとする。
あの声は絶対まねできないと言われた文枝では「舟弁慶」などを挙げ、春団治では過去に詳細に分析した一冊を出し重複を避けるとして、10の持ちネタの聞きどころを紹介。
各所に、戸田氏の視点と四天王の噺の聴きどころが綴られ、なるほどとうなずかせられる。
最後に、東京落語のスターといわれながら63歳でなくなった古今亭志ん朝が取り上げられている。
そこには大阪を愛し、大阪の人に愛された志ん朝への戸田氏の思いがにじみ出ている。
・・・読んでみようかなぁ。

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