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2011年10月20日 (木)

鴻池の犬・はてなの茶碗・・

dollar江戸時代の豪商と言えば、江戸の三井・大坂の鴻池というのはね誰もが認めるところです。
ところが現代では、「三井」の名前は相変わらず有名ですが、「鴻池」の方は、わずか一部の企業名に残っている程度です。Photo
大阪の北浜に、「大阪美術倶楽部」という建物があります。
こここそ、旧鴻池家本宅跡なのです。  
高層ビルが立ち並ぶ中で珍しく低層で、クリーム色とレンガ色の要塞のようなたたずまい。「旧鴻池家本宅跡」の石碑を横目にして一歩中に足を踏み入れると、敷地面積約3千平方メートル、かつての豪商の華麗で洗練されたたたずまいが姿を現します。
元家主の「鴻池善右衛門」は、江戸から昭和初期にかけて11代続いた豪商。
日本一の資産家として知られ、落語にまつわる噺もあります。
中でも「鴻池の犬」は、ある商家から鴻池家へともらわれ、時を経て地元の顔役になった犬のクロのところへ痩せこけた不良犬が迷い込み、実は生き別れになった弟だったという人情…いや“犬情”噺。
そして、水が漏るただの湯飲み茶碗が千両に化けた噺「はてなの茶碗」にも、鴻池の主が登場します。
この建物の一室で、3年前から落語会が開かれているそうです。
「船場今橋 大美落語会~旧鴻池邸で船場噺を聴く会」。
主宰の笑福亭竹林さんが落語に造詣の深い古美術商の勧めで会を始めたそうで、年4回、250人収容の広間は常に満席だそう。
 「芸の世界で器(=会場)の力と言いますが、まさにそれです。お客さんも和服姿があでやか。芸歴30年で落語の楽しさを再発見させてもらっています」
と。
先日、さん喬師匠の「鴻池の犬」を聴いて思い出しました。
江戸時代の大坂の大富豪「鴻池両替店」の系譜は、明治以降は鴻池銀行から三和銀行・UFJ銀行となり、現在は三菱東京UFJ銀行に繋がっています。
三井や他の財閥系よりもずっと早い1656年創業の日本最古の銀行です。
鴻池家は、戦国時代の武将山中鹿之介の子孫と伝えられ、戦国期末に伊丹の鴻池村で酒造業を始めています。
江戸時代初めに清酒を造る技法を確立し、その後の繁栄の基礎を作りました。
鴻池家では大阪に支店を出し、一族のうち正成を店主に充てたのですが、これが後の鴻池善右衛門となり、豪商へと成長していくこととなります。
特に3代目善右衛門は鴻池新田を開拓し、大名貨を中心とする両替業に専門化してついには十人両替となり、大坂随一の両替商として発展することになります。
1863年(文久3年)には、結成から間もない新選組(壬生浪士組)が200両を鴻池家から借り入れています。
1864年(元治元年)には、鴻池家を中心に大阪の豪商達が、新選組と会津藩に対して7万1千両にも上る出資を行っています。

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