人情噺
師匠が、「流三さん、人情噺を演るんだったらね・・・・」
・・と、私の「薮入り」を聴いて、話してくださいました。
人情噺をするには、正面を向いて、形を崩さず、マクラは眼の表情だけで語らなくてはならない。
日本古来の着物を着ているのだから、着物の美しさを見せるつもりで演ることも大事だ。
片方の肩が落ちたり、着物の裾が乱れたりしてはいけない。
顔は真っ直ぐなまま、左右に振る。
台詞の間に、きょろきょろ上下を振ってはいけない。 ・・等々。
私は今まで、マクラを語る時は、会場を見まわすように心掛けていたのですが、師匠は、それでは駄目だと仰います。
確かに、師匠のご指導で、マクラでもメリハリや抑揚をつけて語ると、左右に首を振ると、観客が混乱してしまうかもしれません。
それに、本題に入っても、余計な左右の動きを作ってはいけないということです。
それが「正面を切る」ということなのでしょう。
その言葉を心がけて「薮入り」を演ってみると、「うん、かなり良くなって来た。分かりやすくて上品になった。それで人情噺が生きて来るんだよ」と。
・・・今日は、単なる噺のオチだけでなく、もっと大切なことを学んだ気がします。
そして、師匠から正式に「人情噺を演っていいよ」と言われた瞬間でもあった気がします。
大変自分勝手な解釈ですが・・・。
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