「幕末太陽傳」
映画会社として最古の歴史を持つ日活が来年100周年を迎えるそうで、これを記念して、映画「幕末太陽傳」をデジタル修復し、劇場公開することになったそうです。
「幕末太陽傳」は、45歳という若さで亡くなった川島雄三監督の代表作で、古典落語「居残り佐平次」を軸に、幕末の志士たちを登場させながら、「品川心中」「三枚起請」などさまざまな噺(はなし)を1本の物語につむぎ上げた作品。
フランキー堺が主演の佐平次を演じたほか、南田洋子が売れっ子の女郎・こはる役で、石原裕次郎が高杉晋作役で、小林旭が久坂玄瑞役で出演している。
品川の地にあった北の吉原と称された色町を舞台に、遊郭「相模屋」で懐に一文も持ち合わせていないにもかかわらず、飲めや歌えの大騒ぎをした佐平次という男が、“居残り”と称して働き始め、巻き起こる騒動を片付けていくというストーリー。
2009 年キネマ旬報オールタイム・ベスト映画遺産200 日本映画篇で、『東京物語』、『七人の侍』、『浮雲』に続いて4 位に輝いた名作だ。
撮影当時のスタッフが修復に携わり、単にきれいにするのではなく、1957年に製作された当時そのままの状態を復元することに重きをおいて修復されたデジタル修復版では、映画館で日本映画黄金期にタイムスリップしたかのような感覚を、存分に味わえることだろう。
今まで、テレビで断片的に観たことはありますが、映画館では観たことがありません。
落語を演るにあたり、立体的な場面のイメージや、小道具や雰囲気を知るのには格好の教材になりますから、観に行きたいと思います。