熱海土産温泉利書・上
「熱海土産温泉利書」と書いて「あたみみやげいでゆのききがき」と読みます。
熱海で温泉に入った後で土産を買って帰る話ではありません。これも三遊亭圓朝作の長講です。
明治22年に「やまと新聞」に連載されたもので、圓朝の熱海取材に基づく作品で、熱海の風物,名所も詳しい噺です。
数年前に、「柳家喬太郎」さんが通しで口演したのを聴きました。
相州小田原は大久保加賀守の城下。
藩の重役近藤家の奉公人・お濱は、その家の次男坊・弥三郎と恋仲になるも、主従の間での恋愛は御法度。
お濱の父は藩の下役で「南無阿弥陀仏」が口癖。
しかし弥三郎の兄の讒言により藩を放逐され、お濱と妹のおみなとともに三島へうつる。
ある日、お濱は、弥三郎が近藤家を勘当になり、八王子在の乳母の息子・髪結いの金造の世話になっていることを聞く。
八王子へ向かうお濱。
金造に「弥三郎は盗みを働き、拝島の牢にはいっている。牢から出すには50両が必要...」と聞かされ、お濱は自ら吉原に身を沈めることに。
金造からの手紙で弥三郎の病死を知るお濱は、通人・池田の隠居に見受けされる。
湯治にやってきた熱海で父と妹と再会すお濱。
そしてある日、死んだはずの弥三郎と出会う。
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