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2011年8月25日 (木)

乱志の「ねずみ」裏話

私の「ねずみ」の裏話をひとつ。Imgp0776
昨年の9月の「学士会落語会」の「創立5周年記念会員落語会」への出演が決まり、迷わず仙台が舞台になっている「ねずみ」に決めたのですが、もともとのネタに加えて、数名の噺家さんの「ねずみ」を聴かせてもらい、練り上げることにしました。
ちなみに、私の「ねずみ」は、入船亭扇橋師匠のものをベースにさせていただいています。
そして、本家本元の桂三木助師匠から、桂歌丸・立川ぜん馬・柳家さん喬・三遊亭遊雀・鈴々舎わか馬・入船亭扇辰・立川志の輔そして三遊亭圓窓の各師匠方のものまでを・・・。
この中で、入船亭扇辰さんの「ねずみ」は、ラジオディズからのダウンロードだったのですが、噺の後に、解説・随談が入っていました。Imgp0779
山本進先生と本田久作さんとの対談です。
ここで、山本先生が仰っていたことがあります。
まず、三木助師匠がオリジナルの演出で、この「文芸路線」でやるならいいが、ねずみ屋の卯兵衛が、愚痴話を進めて行く途中で、「あ、わたくし卯兵衛と申します」と言うのは、いかにも演出しているようで、あまり好きではない。
(山本先生が)あの演出は好きではないと言ったら、直してくれた若手の噺家さんがいたそうです。(柳家三三さんでは?)
次に、三木助師匠は、良い虎の例えに「王頭の虎」と説明しているが、ちょっとくどい感じがする。2011072121380001
・・・そこで乱志は考えました。
この山本先生こそ学士会落語会の代表(会長)ですから、少なくとも上の2点は、気をつけてやらないといけないと・・・。
そこで、本番では、「卯兵衛と申します」という台詞は、愚痴話の冒頭で言わせることにしました。
それから、「王頭の虎」というのは、私も無駄だと思い、もともと台詞に入れてありませんでしたからそのままに・・・。
初めて告白することで、誰にも言っていませんでしたが、分かってもらえたでしょうか・・・?2011072222200001
ところで、本田さんは、この「ねずみ」のオチがくだらないというコメントをしていました。
が、私は、全くそう思いません。
「あれは虎ですか?私はてっきり猫だと思いました」と言いたくて演ろうとしたんですから。
尤も、ねずみの天敵が猫だというのも、最近は分かりづらくなったかもしれませんが・・。
これでも、いろいろ考えて演っているんです。
それがまた楽しいのですが・・・。

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