「鰍沢」の圓喬伝説
落語「鰍沢」と名人「四代目橘家圓喬」の名人伝説の一端です。
「鰍沢」は、四代目橘家圓喬が得意とし、その高座は伝説と化してしまっている。
「・・・耳にこびりついているから、演れったってとても出来はしませんよ。・・・急流のところでは本当に激しい水の流れが見え、筏が一本になってしまうのも見えた。」(八代目桂文楽)
「さっきまで晴れていたのが雨音がする。『困ったな』と思ってたら師匠が鰍沢の急流を演ってた。」(五代目古今亭志ん生)
胴巻の金を見つけ「それを見逃すおくまではない。じろりと見る流し眼のよさ。凄さ。」(小島政二郎)
・・・・などの証言が残されています。
六代目三遊亭圓生師匠も、圓喬の「鰍沢」をかなり意識し、金子を見つめるお熊の一瞥を「ここが眼目です。」と述べ、「自身の腕をどこまでできるか試すために演じている。」と述べており、圓生師匠数ある噺の中でも最高の演目とされています。
四代目橘家圓喬という人は、そんな名人だったという訳です。
「鰍沢」という噺に関して言えば、個人的には、噺の内容もオチもそれほど図抜けて素晴らしいものだとは思いません。
この噺が重く評価される理由は・・・・、
①三遊亭圓朝作の三題噺である
②珍しい旅噺で壮大な雰囲気がある
③日蓮宗(身延山)の宣伝になっている
④名人の名演が伝説になっている
・・からではないかと思います。
「お題目(材木)で助かった」のオチは、変えた方が良いでしょう。
いつか演る時は、オリジナルのオチにしようと思います。
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