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2011年8月24日 (水)

お初徳兵衛浮名桟橋

「五街道雲助」師匠に酔いました。
今では「船徳」があまりにもポピュラーで、「お初徳兵衛浮名桟橋」の方は、ほとんど聴くことができません。
「船徳」は、初代三遊亭圓遊によって、この噺から切り出されて滑稽噺になったものです。2_3
遊びが過ぎて勘当をされた若旦那の「徳兵衛」は、いつも世話をしていた柳橋の船宿に転がり込み、居候の身の上。
そのうちに「船頭になりたい」と言い出すので、親方は「やめておきなさい」と意見をするが、本人の意志が固く、とうとう船頭になる。
(ここいらあたりが「船徳」の部分ですね)
それから数年・・・・。
今は立派な船頭になった徳兵衛は、男ぶりがいいこともあって、柳橋の芸者衆の間で大変な人気者になっている。
ある日、ご贔屓に連れられた売れっ子芸者の「お初」を乗せて吉原へ向かうが、吉原でご贔屓だけを降ろして戻る途中、にわかの土砂降りに遭い、船を首尾の松近くにつけて、しばし休息することに。
二人きりの時が流れる中、お初は「あなたのことを、ずっと前から知って(慕って)いる。」と意外なことを言い出す。
まだ船頭になる前から、若旦那の徳兵衛を見染めて、ずうっと思い(慕い)続けていたのだという。
そこへ落雷。
驚いたお初は、思わず徳兵衛に抱きついて・・・。

「お初」と「徳兵衛」のカップルは近松門左衛門の浄瑠璃「曽根崎心中」から出ています。
良く知られたこの浄瑠璃から登場人物の名を借りて作られたのが、人情噺「お初徳兵衛浮名桟橋」で、その発端部分がこの一席という訳です。
ずっと徳兵衛を思い続けている、お初の純粋な気持ち。
徳兵衛に近づくために芸者にまでなるという、お初の一途な心。
幼い頃から、ずっと同じ人を思い続けられる人、その人に思われ続ける人というのは、ともに実に幸せだと思いますし、その一途な思いが何とか遂げられるようにと、心から祈ってしまいます。
そんな、甘いお伽噺のようなことを考えてしまうのです。
・・・いずれ、そんな心情を表現してみたいものです。

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